2024年11月18日
労務・人事ニュース
2050年カーボンニュートラルを目指す建築業界必見!ライフサイクルCO2評価ツール『J-CAT』正式版公開で脱炭素化が加速
建築物のライフサイクルカーボン算定ツール正式版を公開しました! ~建設から解体までのCO2 排出量を評価可能に~(国交省)
国土交通省住宅局は、令和6年10月31日に、建築物のライフサイクル全体でのCO2排出量を評価するためのツール「J-CAT(Japan Carbon Assessment Tool for Building Lifecycle)」の正式版を公開しました。このツールは、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、建築物が生み出すCO2排出量を、建設から解体までのライフサイクル全体を通じて評価することを目的としています。このツールの開発には、産業界、政府機関、学界の専門家が連携し、一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター(IBECs)内に「ゼロカーボンビル(LCCO2ネットゼロ)推進会議」を設立して取り組んできました。
建築物のCO2排出量は、建設資材の製造、運搬、施工、改修、解体といった過程で発生し、これらのプロセスを通じて発生する排出量全体を「ライフサイクルカーボン」と呼びます。欧米諸国では、ライフサイクルカーボンの削減が積極的に進められており、日本でも同様の動きが求められています。そのため、令和4年12月にIBECs内に設置されたゼロカーボンビル推進会議は、ライフサイクルカーボンの評価手法の開発や、部材・設備のデータベースの整備、海外での動向情報の収集と共有を行ってきました。
今回公開されたJ-CAT正式版は、令和6年5月にリリースされた試行版を基に、最新の知見や試行結果を反映して修正されたものです。このツールを用いることで、建築におけるCO2排出量の定量的な把握が可能となり、環境負荷を軽減するための具体的な設計や運用の指針が得られます。ツール公開により、建築業界全体でのライフサイクルカーボン削減の取り組みが一層加速することが期待されています。
このツールの利用を通じて、建築物の設計段階から排出量を考慮したプランニングが可能になり、施工者や設計者がCO2排出削減に寄与する建材や工法の選択を支援します。また、改修やリノベーション時の環境負荷評価にも活用でき、既存建物の改修時におけるカーボンニュートラル化の推進に役立つとされています。J-CATの導入は、今後の建築基準や環境規制の策定にも影響を与える可能性があり、持続可能な社会の実現に向けた具体的な一歩となります。
J-CATは、住宅局参事官のサポートによりIBECsウェブサイトで公開されており、住宅建築関連業界の企業や関係者に対し、無料で利用可能です。特に、建築物のCO2排出における評価基準の策定を視野に入れている企業や、ライフサイクルアセスメントに基づく持続可能な設計・施工方法の導入を検討している企業にとって、非常に有益なツールとなります。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ