2025年5月5日
労務・人事ニュース
205,500円に上昇した介護費用、増加する需要にどう対応するか(令和7年1月審査分)
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最終更新: 2025年5月6日 22:36
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最終更新: 2025年5月6日 22:36
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最終更新: 2025年5月6日 22:36
介護給付費等実態統計月報(令和7年1月審査分)(厚労省)
令和7年1月の審査分として厚生労働省が発表した介護給付費等実態統計によれば、日本の高齢化社会における介護ニーズの増加が改めて浮き彫りとなりました。今回の調査結果から、介護予防サービスおよび介護サービスを受ける人の数がいずれも前年同月と比較して増加しており、特に介護予防サービスでは約96万6千人が利用していることが確認されました。これは前年の同時期と比較して5.8%の増加を示しており、要支援1および要支援2の両方で利用者が増加しています。要支援1では6.4%、要支援2では5.3%の伸びを記録しており、地域における介護予防の意識向上とサービス提供体制の整備が影響していると考えられます。
一方で、より支援が必要な要介護者を対象とする介護サービスの受給者数は全体で477万9千人に達しており、前年同月比で1.5%の増加となっています。特に要介護1と2の層では、それぞれ2.2%、2.6%の増加が見られ、これらの層が今後さらに支援の中核となることが予測されます。介護の必要度が高くなる要介護4および5の層では、前年と比べて伸びが鈍化、または減少傾向にありました。要介護5においては、1.4%の減少が確認されています。このような結果は、要介護度が進行する前の段階での適切な介入が進んでいる可能性を示唆しています。
さらに注目すべきは、介護サービスにかかる費用の動向です。介護予防サービスに関しては、総費用が271億5700万円に達し、前年同月から6.8%増加しました。これに対して、介護サービス全体では9,819億7800万円の費用が発生しており、こちらも前年同月と比較して3.6%の増加を記録しています。受給者1人あたりに換算した費用は、介護予防サービスで28,100円、介護サービスで205,500円となっており、それぞれ0.9%、2.1%の増加です。これらのデータは、介護サービスの質と範囲が拡充されていること、またサービス提供にかかるコストが年々上昇傾向にあることを示しています。
このような背景から、介護分野においては、単に人手を増やすというだけでなく、サービス提供の効率化や質の向上が求められる時代に突入しています。特に人材確保の面では、介護職の待遇改善や働きやすい職場環境の整備が急務とされており、採用担当者にとっても重要な課題です。例えば、介護人材の定着率を高めるためには、業務負担の軽減とキャリアパスの明確化が効果的であることが、各種調査でも示されています。介護業界においては、従業員が長く安心して働ける環境を提供することで、結果として利用者へのサービス品質の向上にもつながります。
また、今回の統計結果を受けて、地域包括ケアシステムのさらなる推進が求められています。地域に根ざしたサービスの提供は、高齢者の生活の質を保ちながら、医療・介護の費用を抑制する鍵となります。地域密着型サービスの利用も増加傾向にあり、利用者のニーズに応じた柔軟なサービス提供体制の整備が一層重要になります。これには、自治体や民間事業者、NPOなどが連携し、それぞれの強みを活かした取り組みを進めることが不可欠です。
さらに、介護現場ではICTやAIなどの最新技術の導入が進められています。これにより、ケアマネジメントの効率化や記録業務の負担軽減、さらにはリスクの早期発見が可能となり、職員一人ひとりの働きやすさが向上しています。採用担当者にとっては、こうした先進的な取り組みをアピールポイントとして打ち出すことで、若年層を含む多様な人材の確保にもつながる可能性があります。
以上のように、介護給付費等実態統計から見えるのは、介護を取り巻く状況の変化と、それに対応した制度・施策の進展です。採用担当者にとっては、このような最新動向を把握し、企業の採用戦略や人材育成に反映させることが、今後の成功の鍵を握ると言えるでしょう。業界の動向を正確に理解することで、より効果的な採用活動と組織運営が可能となり、ひいては高齢社会における持続可能な福祉の実現に貢献することが期待されます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ