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2025年3月4日

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3月14日締切の観光補助金公募、歴史的建造物の再生で生まれる新たな職種とは

令和7年度「観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)」の公募を開始します(観光庁)

令和7年(2025年)2月19日、観光庁は「観光振興事業費補助金(歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業)」における間接補助事業者の公募を開始した。本事業は、地域における歴史的資源を活用し、高付加価値な観光資源を創出することを目的としており、特に長期滞在者やリピーター、高付加価値旅行者の誘致を強化することで、「稼げる地域・稼げる産業」の実現を目指すものである。公募期間は令和7年2月19日(水)から3月14日(金)17時までとされており、補助対象事業者は地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者、またはそれらを中心に構成される地域協議会などが含まれる。

本補助金は、歴史的資源を中核に据えた観光まちづくりの推進を支援するもので、歴史的建造物の改修や周辺環境の整備、地域資源の面的な活用を支援することを目的としている。補助率は事業費の2分の1以内とされ、補助金の上限額は2,000万円と設定されている。これにより、地方における歴史的資源の活用が促進されることが期待される。

本事業の目的は、単なる観光地の開発ではなく、地域全体の魅力向上と持続可能な観光経済の構築にある。歴史的建造物や町並みの保全・活用を通じて、地域独自の文化を生かした観光振興を進めるとともに、地域住民の理解と協力を得ながら、観光による地域経済の発展を図ることが求められている。特に、城や社寺、古民家などの歴史的建造物を活用し、それらを「目的となる宿泊施設」として再生することで、単なる通過型観光ではなく、長期滞在型の観光地へと発展させることが期待される。

この公募では、地域ごとの特性を生かしながら、歴史的資源の高付加価値化を推進し、観光業の発展に寄与する事業が対象とされている。例えば、歴史的建造物を活用した宿泊施設の開発、観光客の滞在時間を延ばすための体験型プログラムの導入、地域資源を活かした食文化や伝統工芸の振興といった取組が想定されている。こうした取組は、単なる観光客誘致にとどまらず、地域全体の経済循環を促進し、観光産業の持続的な成長を支えることにつながる。

今回の補助金は、地域の観光産業の基盤を強化するための重要な支援策であり、地方公共団体やDMOを中心に、地域の観光資源を統合的に活用するための施策が求められる。特に、地域内の観光資源を有機的に結び付けることで、観光客の移動を促し、観光消費を地域全体に広げることが重要とされる。例えば、歴史的建造物を宿泊施設として活用する場合、近隣の観光スポットや体験プログラムとの連携を強化することで、観光客の滞在時間を延ばし、消費額の増加を図ることができる。

また、本事業の実施によって、観光業における新たな雇用機会の創出も期待される。歴史的建造物の改修や運営には、多くの専門人材が必要とされるため、建築やデザイン、観光マーケティング、ホスピタリティ産業に関わる人材の需要が高まることが予想される。加えて、歴史や文化に関するガイド業務、体験型観光プログラムの企画・運営、デジタルマーケティングを活用したプロモーションなど、新たな職種の創出も見込まれる。

特に、近年ではデジタル技術を活用した観光プロモーションが注目されており、地域資源を活用したオンラインコンテンツの開発や、バーチャルツアー、デジタルマップの導入など、観光客の利便性を向上させるための施策が重要視されている。こうした技術を活用することで、訪日外国人観光客を含めた幅広いターゲットに対して、地域の魅力を効果的に発信することが可能となる。

応募に際しては、所定の申請書類を電子メールで提出することが求められており、郵送や持ち込みによる提出は受け付けられない。提出期限までに事務局が受領した書類のみが有効とされるため、応募を検討している事業者は早めの準備が必要となる。提出後は、事務局より受領確認のメールが送付されるため、確認の連絡を待つことが推奨されている。

観光庁が推進するこの補助金事業は、観光産業の持続的な成長を支えるための重要な施策であり、地域の観光資源を活用した観光まちづくりを加速させるものである。特に、歴史的資源を活用した宿泊施設の開発は、国内外の高付加価値旅行者の誘致に大きく貢献し、日本の観光産業全体の競争力を高めることにつながると考えられる。今後、本事業を通じて、全国各地で観光資源の活用が進み、地域ごとの特性を生かした観光戦略が展開されることが期待される。

⇒ 詳しくは観光庁のWEBサイトへ