2025年5月18日
労務・人事ニュース
4社が受賞、革新と挑戦を評価する「第1回革新的経営チャレンジ賞」が大分で始動
- 製造業でモノづくり やる気さえあればOK 履歴書不要 土日休み 週払い可
最終更新: 2025年5月17日 05:16
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- 看護師/2025年5月17日更新
最終更新: 2025年5月17日 15:09
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採用戦略にも直結、若手が共感する企業づくりで受賞企業が高評価
令和7年2月26日、大分商工会議所は通常議員総会の場において、「第1回革新的経営チャレンジ賞」の受賞企業4社を表彰しました。この新たな顕彰制度は、変化の激しい経済環境に立ち向かい、経営革新や事業再構築といった挑戦を続ける企業を称えることを目的として創設されたものです。従来行われていた「おおいたビジネス オブ ザ・イヤー」と「切り拓けおおいた!勇気あるチャレンジ賞」の趣旨を受け継ぎつつも、新たな時代に即した観点から選出基準が再構築されており、受賞企業はいずれも独自の発想と実行力で地域経済に新風を吹き込んでいます。
本賞の背景には、2020年代以降の事業環境の急変、たとえばパンデミックの影響、デジタル化の急速な進行、カーボンニュートラルへの対応といった、企業経営に対する社会的要請の高度化があります。これに対応する形で、大分商工会議所は次世代の経営者に向けた成長の羅針盤としてこの表彰制度を位置づけ、他の模範となるような先進事例を社会に広く発信することを目指しています。
第1回目の表彰対象となったのは、株式会社AEトランスポート、株式会社コテガワ、株式会社匠研工業、西ノ洲環境株式会社の4社です。それぞれ異なる業種ながらも、いずれの企業も今の社会課題に対して柔軟かつ前向きに取り組み、新しい価値を創出しています。
まず、運輸業の株式会社AEトランスポートは、軽貨物配送業界において「スモールデリバリー」という新たなサービスを導入しました。これは、従来の大量一括配送ではなく、小ロットの即時配送ニーズに対応したもので、eコマースの拡大により増加した個別配送需要を的確に捉えた取り組みです。このサービスは、配送の効率性だけでなく、ドライバーの働きやすさやエリア密着型のサービス品質向上にも寄与しており、地域密着型物流のモデルとして高く評価されました。
次に、土木建築資材の卸売を行う株式会社コテガワは、土木製品の特性を応用した新商品「浮遊浴」を開発し、従来の産業用途にとどまらないリラクゼーション分野への進出を果たしました。これは、同社の持つ素材技術をリラクゼーション市場に応用した画期的な事例であり、異業種融合による新たな市場創出として注目を集めています。単なる製品開発にとどまらず、使用感や顧客満足度の分析にも取り組み、総合的な商品価値の向上を目指している姿勢が評価されました。
一方、建設設備業の株式会社匠研工業では、熟練技術者の不足という業界共通の課題に対し、最新の設備導入によって業務の自動化・標準化を進めるとともに、加工から取付けまでを一括で請け負う体制を構築しました。この取り組みによって、納期短縮と品質の安定化を実現し、同時に若手人材の定着にもつなげることができたといいます。属人的だった技能を標準化し、次世代に引き継ぐ仕組みを整えた点が特に評価されました。
最後に、清掃業・ビルメンテナンスを手がける西ノ洲環境株式会社は、企業全体でSDGsに対応した事業運営を行う中で、従業員の働きがい向上に力を入れている点が注目されました。環境負荷の低減や地域緑化活動といった取り組みを通じて、企業としての社会的責任を果たしながら、社内のエンゲージメント向上や女性活躍推進も進めており、「働きたくなる会社づくり」に取り組む姿勢が高く評価されました。
これら4社の取り組みは、単なる事業拡大や売上増加を目的としたものではなく、持続可能性や地域社会との共生を意識した未来志向の経営スタイルが共通しています。革新的経営チャレンジ賞が目指すのは、こうした企業が持つ「創造力」「実行力」「共感力」の可視化と、そのモデルの社会への波及です。
企業の採用担当者にとっても、今回の受賞企業が実践している取り組みは極めて示唆に富んでいます。業界問わず深刻化する人材不足や職場の多様性確保といった課題に対し、具体的な打開策を講じている企業は、採用市場においても強い競争力を持つ存在となります。若年層に選ばれる企業とは何か、次世代の経営に求められる視点とは何かを示す好例が、今回の表彰に詰まっています。
⇒ 詳しくは大分商工会議所のWEBサイトへ