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2024年6月17日

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40度以上の体温を30分以内に下げる!職場での緊急対応マニュアル 熱中症応急手当と水道水散布法

【職場における熱中症予防】2.応急手当と水道水散布法(厚労省)

職場での熱中症対策として、応急手当てと水道水散布法についてお伝えします。まず、熱中症が疑われる場合の基本的な対応について説明します。意識がはっきりしている場合は、涼しい場所に移動して体を冷やします。この際、スポーツドリンクを自分で蓋を開けて飲ませ、十分に休憩させることが重要です。その間、絶対に一人にせず必ず誰かが付き添います。症状が回復した場合は帰宅させますが、帰宅途中または帰宅後、または翌朝に体調不良が見られた場合は救急車を呼ぶか医療機関を受診させます。

意識があり自分で水を飲めても症状が回復しない場合は、医療機関へ搬送します。意識があっても自分で水を飲めない場合やペットボトルの蓋を自分で開けられない場合は危険な状態ですので、すぐに医療機関に搬送します。意識がない場合は直ちに救急車を呼び、水をかけて体を冷却します。

次に、救急車が到着するまでなぜ水をかけて体を冷却するのか、その理由について説明します。人間は体温が40度以上の状態が30分以上続くと死亡する恐れがあります。その状態で医療機関に搬送されても手遅れとなるため、一刻も早く体温を下げるために水をかけます。体温が40度以上であれば、直ちに水をかけて体を冷却し、体温を30分以内に39度台に下げる必要があります。

熱中症が疑われる人の救命においては、いかに早く体温を下げるかがポイントとなります。スポーツの現場では全身を氷水につけて体を冷却する方法が推奨されていますが、専用の設備や専門スタッフが必要です。そのため、職場では水道水散布法が有効です。救急車が到着するまで、たっぷりの水を胸から膝にかけ続けます。水をかけられない作業場では氷を使って体温を下げる方法もありますし、氷水で濡らしたタオルで体を冷やす方法も有効です。

それでは実際の水道水散布法の手順を紹介します。まず、服を脱がせて涼しい場所へ移動します。上着を脱がせて頭部を保護し、靴も脱がせます。周囲の人は風を送って体を冷やします。意識が混濁して暴れたりすることがあるため、その時は怪我をしないように体を押さえて寝かせます。全身に均等に水をかけ、体温を下げます。水をかけられない場合は氷や氷水で冷やしたタオルを使って体温を下げます。この場合、体温で温まったタオルを交換しながら行います。

次に異常時の措置について説明します。熱中症は重症度別に1度、2度、3度と3段階に分類されます。一度は軽症で、意識ははっきりしていますが少し様子がおかしく見えます。二度は中等症で、明らかに様子がおかしく見えます。三度は重症で、意識がなく危険な状態です。それぞれの症状に応じた応急手当てを速やかに行い、必要に応じて医療機関へ受診することが重要です。

これで職場における熱中症対策、応急手当てと水道水散布法の説明を終わります。熱中症が疑われる場合は正しい知識を持ち、迅速に対応しましょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のYoutubeサイトへ

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