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2024年12月5日

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4,298名を対象にした仕事価値観検査の結果とその職業提案の仕組み

Web提供型の仕事価値観検査の開発(JILPT)

2024年11月22日、労働政策研究・研修機構(JILPT)は、「Web提供型の仕事価値観検査の開発」という資料シリーズNo.287を発表しました。この研究は、仕事選びの際に人々が重視する条件や考え方を測定する新しい検査ツールを開発することを目的としており、最終的には厚生労働省が運営する「job tag」という職業情報提供サイトの自己診断ツールとして活用される予定です。

本研究では、仕事価値観を測定するために、11の異なる要素を選定し、それぞれを評価するための質問項目を作成しました。調査はWebを通じて実施され、4,298名の就業者と高等教育課程に在学中の学生が対象となりました。この結果、信頼性と妥当性が確認された44項目が選定され、仕事価値観に関する測定基準が定められました。研究の中で、11の要素は「職務重視」「働き方重視」「報酬・地位重視」の3つの因子に分類され、それぞれの因子ごとに職業の特徴がどのように異なるかが分析されました。

特に注目すべき点は、仕事における価値観が現在の働き方にどれだけ影響を与えているかという点です。「働き方重視」の要素が他の2つよりも高い位置に位置付けられており、これは特に現代の就業者や学生が、仕事の内容だけでなく、生活との調和や職場環境の質を重要視していることを示しています。これにより、今後の職業選びにおいては、仕事の安定性や私生活との両立が大きな要素として反映されることが予測されます。

また、この検査の結果は、「job tag」上の職業情報と連携させて、個人の仕事価値観に合った職業を提案するシステムが構築される予定です。研究では、426職業に対するデータを基に、職業を7つのグループに分類しました。さらに、これらのグループにおける仕事価値観の評価基準を基に、職業が個々の価値観にどのように適合するかが示され、個人の仕事価値観に最も合った職業を提案できる仕組みが設計されました。この方法により、利用者は自分に適した職業選択をサポートされることとなり、キャリア形成において重要な手助けとなります。

この研究成果は、働き方改革の一環として、職業選びにおける意識や優先事項がますます多様化する中で、個々人のニーズに合った職業提案ができる可能性を示唆しています。検査ツールの活用により、職業情報をより精緻に個人に合った形で提供することができ、就業者や学生が自分に合った仕事を見つけやすくなることが期待されています。また、労働市場におけるミスマッチ解消や、働き方に関する意識の向上にも貢献できると考えられます。

この研究で開発された仕事価値観検査は、今後「job tag」上に搭載され、一般公開される予定です。このツールが広く利用されることにより、就業希望者や学生が自分の価値観に合った職業を見つけるための有効な手段となることが期待されています。

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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