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2024年12月18日

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5Gの普及が地域経済に与える影響を探る 人口カバー率とインフラ整備の現状

情報通信経済研究会(令和6年度第3回) 資料2 電気通信サービスに関わる調査研究について(総務省)

5Gの普及は日本国内で着実に進行していますが、その広がり方は地域ごとに異なり、都道府県別の5G人口カバー率に注目すると、地域特性や通信事業者の戦略が浮き彫りになります。2023年度末のデータによれば、日本全国で5Gのカバー率は平均的に非常に高い水準に達しており、多くの都道府県で95%以上のカバー率を記録しています。しかし、こうした数値の裏には、都市部と地方部の間に存在する明確な格差や、普及を進める上での多様な課題が存在します。

東京都、大阪府、神奈川県といった大都市圏では、5Gの人口カバー率がほぼ100%に近い水準に到達しています。これらの地域は、通信事業者にとって優先的な投資対象となるため、基地局整備が集中的に行われてきました。これにより、人口密度の高い地域では5Gの利便性を最大限に引き出せる環境が整備されています。一方で、地方圏や過疎地域では、5Gの普及率が大きく遅れています。例えば、北陸地方や東北地方の一部地域では、5G人口カバー率が90%に満たない状況が続いています。これには、地理的要因やインフラ整備コストの高さ、さらに地方特有の通信需要の低さが関係していると考えられます。

通信事業者が都道府県ごとに5Gを展開する際には、人口密度や大規模商業施設の有無、主要な交通拠点の存在が重要な判断材料となっています。都市部では、昼夜を問わず高い通信需要が見込まれるため、5G基地局が優先的に設置されます。しかし、農村部や離島など、人口密度が低く経済的な収益が見込みにくい地域では、通信インフラの整備が遅れることが一般的です。これにより、地域間での通信環境の格差が拡大する要因となっています。

地方圏での5G普及を加速させるためには、政府や地方自治体の支援が不可欠です。総務省は、通信事業者が地方において基地局を整備しやすくするための助成金や補助金の制度を整えています。また、地方自治体が主体的に通信インフラの整備に関与することで、地域間の格差を是正しようとする取り組みも進行中です。さらに、通信事業者も地方向けの特化した戦略を模索しており、地域密着型の通信プランの提供や、観光業や農業との連携による新たな需要の掘り起こしを試みています。

技術的な観点からは、衛星通信の活用が注目されています。従来は通信インフラの整備が難しかった山間部や離島でも、衛星通信を活用することで5Gの提供が可能となります。この技術の進展により、日本全体での5G普及がさらに加速すると期待されています。

5Gは、次世代通信技術であるBeyond 5Gや6Gの基盤となるインフラとしても重要視されています。その普及は、仮想空間サービスやスマートシティ、IoT(モノのインターネット)といった多様な分野での活用を支えるものです。地域間の5G普及率の格差を縮小し、全国一律で高品質な通信環境を提供することは、これらの技術革新を最大限に活かすために必要不可欠です。

都道府県別の5G人口カバー率の動向を詳しく分析することで、日本における通信インフラの課題と可能性が明確になります。都市部では高いカバー率を維持しつつ、地方部でも効率的かつ持続可能な通信網の構築を目指す必要があります。これにより、全ての国民が平等に5Gの恩恵を享受できる社会が実現するでしょう。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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