2024年8月9日
労務・人事ニュース
6月の大分県雇用情勢、求人倍率1.29倍で5か月連続の下降
大分県の雇用情勢(令和6年6月分)(大分労働局)
6月の大分県における有効求人倍率は1.29倍となり、前月をわずかに下回りました。これは5か月連続での下降となり、雇用市場において改善の動きがやや鈍化していることが伺えます。有効求人倍率は1倍以上を維持していますが、物価上昇などの外部要因が雇用に与える影響については、今後も注意が必要です。
新規求人数は7,613人と、前年同月比で14.5%の大幅な減少を記録しました。特に、情報通信業では69.9%減、建設業でも21.1%減と、ほぼ全ての主要産業で求人が減少しています。製造業においても、新規求人数は前年同月比で2.6%減少しており、業界全体にわたって採用の動きが抑制されていることが明らかです。
一方で、新規求職者数も減少しており、常用フルタイムの新規求職者数は2,091人で、前年同月比9.0%の減少となりました。在職者の求職活動はやや低調であり、離職者の減少も目立っています。離職理由については、事業主都合での離職が前年同月比で24.5%減少しており、企業側のリストラなどの動きが一服していることが伺えます。
地域別の有効求人倍率では、最高は大分所の1.53倍、最低は別府所および中津所の0.93倍となり、地域間での格差が存在することが分かります。また、ハローワーク別でも有効求人倍率にばらつきが見られ、各地域の雇用状況に応じた対策が必要とされています。
雇用保険受給者の実人数も減少しており、前年同月比で3.0%減の4,977人となりました。このように、雇用情勢全体としては安定しているものの、新規の求人動向が低迷しているため、今後の雇用対策が求められます。
今後も、企業や求職者双方の動向に注視しながら、適切な雇用支援策を講じることが重要です。
大分県の6月新規求職者数8.7%減、フルタイム求人に厳しい状況
まず、有効求人倍率が1.29倍と前月から減少し、これで5か月連続の下降を記録しています。これにより、労働市場の需給バランスがやや悪化していることが示されています。通常、有効求人倍率が1倍を超えると求人が求職者よりも多い状態を示しますが、この下降傾向が続くと、求職者にとって仕事を見つけるのが難しくなる可能性が出てきます。
さらに、新規求人数が前年同月比で14.5%減少していることは、企業の採用活動が縮小していることを示しています。特に、情報通信業で約70%、建設業で約21%の大幅な減少が見られ、これらの産業に依存している労働者には特に大きな影響があります。企業が新規採用を控えることで、特に若年層や転職希望者が新たな職を見つけるのが難しくなるリスクがあります。
また、新規求職者数も減少しており、これは求職活動を行う人の数が減っていることを示しています。この背景には、労働市場の見通しが不透明であることから、求職活動を控える人が増えている可能性があります。特に、常用フルタイムの新規求職者数が減少していることは、安定した雇用を求める層が新たな仕事を見つけるのに苦労していることを示唆しています。
地域別の有効求人倍率では、大分所で1.53倍と高い水準にある一方で、別府所や中津所では0.93倍と低く、地域ごとの雇用機会の格差が明確です。この格差は、地域ごとに異なる経済状況や産業構造によって引き起こされるものであり、地域によっては雇用機会が限られていることが労働者にとって深刻な課題となっています。
全体として、大分県の労働市場は一定の安定感を保ちながらも、新規求人数の減少や地域間の雇用機会の格差など、課題が浮き彫りになっている状況です。今後の労働市場の動向や、政府や自治体がどのような雇用対策を講じるかが重要なポイントとなるでしょう。
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