2025年1月10日
労務・人事ニュース
65歳以上の定年制企業が33.3%に増加!香川の高齢者雇用状況の最新データ(令和6年6月1日時点)
令和6年「高年齢者雇用状況等報告(香川)」集計結果(香川労働局)
香川県内における高年齢者雇用の現状について、最新の統計データを基に詳細に分析します。このデータは、2024年6月1日時点で集計されたもので、高齢者雇用安定法に基づく各企業の取り組み状況が示されています。香川県内では、従業員が21人以上の企業を対象に2081社からの報告があり、高齢者雇用確保措置の実施状況が明らかになりました。まず、65歳までの雇用確保措置については、対象企業全体で100%の実施率を達成しています。これは、法令に基づく義務の履行が確実に行われていることを示しています。その中でも「継続雇用制度」の導入が66.7%を占めており、最も一般的な施策となっています。一方で、定年の引き上げを実施している企業は29.2%と増加傾向にあり、定年制を廃止した企業はわずか4.0%にとどまるものの、こちらも緩やかな増加を見せています。
70歳までの就業確保措置については、対象企業の37.6%が実施済みであることが確認されました。この中で特に注目すべきは、中小企業と大企業で対応状況に大きな差が見られる点です。中小企業では38.2%が施策を導入しているのに対し、大企業では25.2%にとどまっています。中小企業が高齢者雇用において柔軟かつ積極的な姿勢を見せている一方で、大企業では施策の進展が遅れていることがうかがえます。具体的な施策としては、継続雇用制度が全体の31.2%を占め、次いで定年の引き上げが2.3%、定年制の廃止が4.0%と続いています。
また、企業規模別に見ると、従業員21~300人の中小企業では、希望者全員を対象とする継続雇用制度の導入率が88.6%と非常に高い数値を記録しています。一方、大企業ではこの割合が68.2%にとどまり、規模に応じた対応の違いが浮き彫りになっています。特に中小企業においては、高齢者雇用を積極的に推進する姿勢が見て取れます。希望者全員を対象とする継続雇用制度を導入している企業の割合が全体で87.3%となり、前年から1.2ポイントの増加を見せています。この傾向は、高齢者雇用安定法の改正を受けて、企業が積極的に対応を進めている結果といえます。
一方で、定年制の状況については、65歳以上の定年を設定している企業の割合が33.3%と、前年から2.3ポイント増加しました。この内訳として、65歳を定年とする企業が25.1%、66歳から69歳を定年とする企業が1.8%、70歳以上を定年とする企業が2.3%という結果が得られました。この数字から、多くの企業が60歳を定年とする伝統的な雇用形態を維持している一方で、高齢者の就業機会拡大に向けた動きが徐々に広がっていることがわかります。
さらに、経過措置に基づく対象者の継続雇用については、対象者の93.5%が継続雇用を実現しており、前年より4.2ポイントの上昇を見せています。これにより、高齢者が安定して働き続けられる環境が整備されつつあることが示されています。一方で、継続雇用を希望しなかった者は6.5%と減少傾向にあり、企業側の取り組みが効果を上げていることがわかります。香川県内における高齢者雇用施策は、生涯現役社会の実現に向けて着実に進展している一方で、70歳以上の就業確保措置や定年制廃止といった更なる対応の推進が求められます。香川労働局は今後も企業への指導や助言を通じて、高齢者雇用の拡大に向けた取り組みを強化していく方針です。
⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ