2024年9月9日
労務・人事ニュース
68回目を迎える船員労働安全衛生月間、全国で500以上の安全衛生活動を展開
令和6年度(第68回)船員労働安全衛生月間を開始します!(国交省)
令和6年度の船員労働安全衛生月間が9月1日から30日にかけて実施されます。この取り組みは、昭和32年度から毎年9月に行われており、船員の安全と健康を守るための活動が全国で一斉に展開されています。今年度で68回目を迎えるこの月間では、船舶所有者や船員が自主的に安全衛生活動を行うことで、船員災害の防止を目指しています。
本年度のスローガンは「待っている 家族の笑顔を 忘れずに」と掲げられ、船員一人ひとりが家族の存在を心に留めつつ、日々の業務に取り組むことを呼びかけています。このスローガンは、船員が安全を確保することが自身だけでなく、家族にも直接影響を与えるというメッセージを強調しています。
この月間の活動内容として、各地で安全衛生に関する訪船指導や船員災害防止大会、講演会や講習会、さらには医療機関と連携した無料健康相談が行われる予定です。訪船指導では、労働安全や衛生面に関する具体的な指導が行われ、船舶の安全性を確保するための取り組みが強化されます。また、災害防止大会では、労働安全や衛生に関する専門的な講演や、優良事業者の表彰、さらには安全保護具の展示や説明会も実施されます。これにより、船員が最新の安全対策や保護具に関する知識を深める機会が提供されます。
船員の健康を守るための活動も充実しています。無料健康相談が設置され、船員やその家族が気軽に健康に関する相談ができる環境が整えられます。特に、生活習慣病の予防やメンタルヘルスに関する講座も予定されており、船員の健康維持に向けた包括的な支援が行われます。また、船員の高齢化が進む中で、高年齢船員の健康確保も重要なテーマとされており、これに対応するための特別講演や講習も計画されています。
さらに、船員労働安全衛生月間においては、新型コロナウイルス感染症対策も引き続き重要視されており、感染症予防のための啓発活動や対策が講じられます。これにより、船員が安全な環境で業務を遂行できるよう、万全の体制が整えられています。
この月間のもう一つの大きな目的は、船員災害防止の優れた取り組みを奨励し、表彰することです。国土交通省では、「船員安全・労働環境取組大賞(トリプルエス大賞)」として、船員災害防止や労働環境の向上に寄与した優れた取り組みを選考し、表彰します。受賞者は、海事局長による表彰状の授与を受け、その取り組みが広く紹介されることになります。これにより、他の船舶所有者や船員が同様の取り組みを行うよう奨励され、全体として船員労働環境の向上が期待されます。
全体として、令和6年度の船員労働安全衛生月間は、船員の安全と健康を守るための包括的な取り組みが展開される重要な時期です。この期間中に行われる様々な活動を通じて、船員一人ひとりが自らの安全と健康に対する意識を高め、職場全体の安全性を向上させることが求められています。これにより、船員災害の減少だけでなく、船員の健康維持と労働環境の改善が実現され、ひいては日本全体の海事産業の発展にも寄与することが期待されています。
以上が令和6年度の船員労働安全衛生月間に関する概要です。企業の採用担当者や海事業界の関係者は、この取り組みを通じて船員の安全と健康を確保するための最善の方法を学び、実践する機会を活かしていただきたいと考えます。特に、船員の健康管理や安全対策に関する最新の知識を得ることで、職場の安全性を一層高めることが可能です。この月間を通じて得られる知識や経験が、今後の企業運営において重要な役割を果たすことになるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ