2025年3月31日
労務・人事ニュース
全国51件、約11,000m³の低炭素型コンクリートが試行導入!公共工事でのCO2削減が加速
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低炭素型コンクリートの活用が全国的に拡大中! ~公共工事でのカーボンニュートラルに資する製品の積極的な活用~(国交省)
国土交通省は、公共工事におけるカーボンニュートラルの実現を目指し、低炭素型コンクリートの活用を全国的に拡大している。インフラ整備は一度行われると長期間にわたり供用されるため、建設施工段階でのCO2排出削減は、環境負荷を低減する上で極めて重要な課題となっている。そのため、国土交通省は「国土交通省環境行動計画」(令和3年12月策定)および「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(令和5年7月閣議決定)に基づき、CO2削減効果のある低炭素型コンクリートの活用を積極的に推進している。
低炭素型コンクリートとは、ポルトランドセメントの使用量を削減し、代わりに副産物由来の材料を活用することでCO2排出量を抑えたコンクリートを指す。具体的には、セメントの55%以上を他の材料に置換したもの、もしくはそれと同等以上のCO2削減効果を持つものが該当する。この手法を用いることで、製造時のCO2排出量を約50%削減できるとされている。特に、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを活用したコンクリートが注目されており、従来のセメントを多用したコンクリートと比較して、環境負荷を大幅に低減できる点が評価されている。
低炭素型コンクリートの試行工事は全国で実施されており、令和6年末時点で全国17道府県において51件の工事で約11,000m³が使用された。これらの工事のうち、プレキャスト製品を活用したものが49件、現場打ちが2件となっており、特にプレキャスト製品での活用が顕著である。また、高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートが50件、フライアッシュと高炉スラグ微粉末の混合置換を用いたものが1件となっており、副産物を利用することで環境負荷の低減に貢献している。
低炭素型コンクリートの導入コストについても注目されている。J-クレジットの平均販売価格(再エネ価格:3,246円/t-CO2)を基準とした場合、試行工事の約43%が市場価格以下であり、9%は従来のコンクリートよりも安価に導入されている。また、34%は0円/t-CO2、つまり従来のコンクリートと同価格で導入可能である。一方、微増(3,000円/t-CO2未満)が2%、増加(3,000円/t-CO2以上)が55%となっているが、全体としては比較的低コストでの導入が進んでいることが分かる。
このように、低炭素型コンクリートの活用は、環境面だけでなく、経済的にも一定のメリットをもたらしている。公共工事において、カーボンニュートラルの実現を目指す中で、環境負荷を抑えつつコスト面でも優れた技術が求められる。国土交通省では今後も低炭素型コンクリートの活用を促進し、技術の発展と普及に向けた取り組みを強化していく方針である。
低炭素型コンクリートの技術革新も進んでおり、新たな材料の開発や施工方法の改良が進められている。例えば、プレキャスト製品の導入が進んでいる理由の一つとして、品質の均一化と施工時の省エネルギー化が挙げられる。工場で事前に製造されたコンクリート部材を使用することで、施工現場でのエネルギー消費を抑えながら、高品質な構造物を建設することが可能になる。また、今後はさらなるCO2削減を目指し、より高い置換率のコンクリートや、新たなバインダー材料の開発が進められることが期待されている。
インフラ整備において低炭素型コンクリートを採用することで、長期的な視点からも大きなメリットがある。建設時のCO2排出削減に加え、耐久性が向上することで、将来的な補修や維持管理のコスト削減にもつながる可能性がある。これにより、持続可能な社会基盤の整備が進むとともに、環境負荷を低減しながら経済成長を促進する「脱炭素成長型経済構造」の実現が期待されている。
さらに、低炭素型コンクリートの普及が進むことで、民間工事にもその影響が波及する可能性がある。公共工事における成功事例が増えることで、民間企業でも採用が進み、建設業全体の環境負荷低減に貢献することが考えられる。そのため、政府だけでなく、建設業界全体での取り組みが重要となる。
国土交通省は今後、低炭素型コンクリートのさらなる活用を推進し、環境負荷の低減とコストバランスの取れたインフラ整備を進めていく方針である。具体的には、より広範囲での試行工事の実施や、技術基準の整備、民間企業との連携強化を図ることで、低炭素型コンクリートの普及を加速させる。これにより、カーボンニュートラルに向けた建設業界全体の取り組みが、一層強化されることが期待される。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ