2025年3月27日
労務・人事ニュース
令和7年1~3月期の企業景況、雇用不足が深刻化する中での採用戦略とは
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
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法人企業景気予測調査(令和7年1~3月期)の結果(財務省)
令和7年1~3月期における法人企業景気予測調査の結果が公表された。この調査では、企業の景況感、雇用状況、企業収益、設備投資など、多角的な視点から経済の現状と今後の見通しを分析している。特に、大企業は引き続き好調な動きを見せる一方で、中小企業の景況感には厳しさが見られるなど、企業規模ごとの差が明確になっている。
まず、企業全体の景況感を示す「貴社の景況判断」BSIを見ると、大企業では2.0ポイントと引き続きプラスを維持しており、4四半期連続で「上昇」超の状態が続いている。特に、自動車・同附属品製造業や電気機械器具製造業などの製造業分野が大きく貢献している。しかし、中小企業は依然として「下降」超の状態が続いており、厳しい経営環境が続いていることがうかがえる。
また、国内全体の景況感を示す「国内の景況判断」BSIにおいても、大企業は3.1ポイントとプラスを維持し、8期連続で「上昇」超となっている。一方で、中堅企業や中小企業では「下降」超の傾向が続いており、企業規模による格差が顕著になっている。今後の見通しについても、大企業は引き続き「上昇」超で推移すると見られるが、中小企業の回復には時間を要すると考えられる。
雇用面においては、依然として人手不足の状況が続いている。全産業を通じた「従業員数判断」BSIは、大企業で28.3ポイントとなり、55期連続で「不足気味」超となった。これは、労働市場における構造的な人手不足を反映したものであり、特にサービス業や情報通信業などの分野では人材確保が喫緊の課題となっている。今後の見通しとしても、引き続き「不足気味」超の状況が続くと見られ、企業の採用戦略の重要性が一層増している。
企業収益の動向を見ると、令和6年度の売上高は3.2%の増収見込みであり、経常利益も6.5%の増益が予想されている。特に、製造業と非製造業の両方で増収・増益が見込まれており、好調な企業業績がうかがえる。ただし、業種別に見ると、鉄鋼業や木材・木製品製造業では売上高が減少する見通しであり、業界ごとに明暗が分かれていることが分かる。
設備投資についても、企業の積極的な投資姿勢が続いている。令和6年度の設備投資額は7.4%の増加が見込まれており、特に化学工業や業務用機械器具製造業での投資が活発である。また、令和7年度の設備投資額は5.9%の増加が予想されており、今後も企業の成長戦略の一環として設備投資が重要な役割を果たすことが考えられる。
しかし、設備投資計画と実績見込みの間には乖離が生じている。全産業を通じて「当初の計画通りである」とする企業が多い一方で、「設備投資にかかるコストの変化」や「景気や業況の見通しの変化」を理由に計画を修正する企業も少なくない。特に中小企業では「景気や業況の見通しの変化」が投資計画の修正要因として最も大きな影響を与えている。
利益配分のスタンスについては、大企業では「設備投資」が最も優先されており、次いで「株主への還元」「従業員への還元」の順になっている。一方で、中堅企業や中小企業では「従業員への還元」が最も重視されており、人材確保のための施策が求められていることが分かる。
これらのデータを踏まえると、大企業は引き続き好調を維持しながらも、採用や設備投資などの面で課題を抱えている。一方で、中堅企業や中小企業は景況感や収益面での不安定さが続いており、慎重な経営判断が求められている。特に、今後の設備投資や人材確保の動向が各企業の競争力を左右する重要な要素となるだろう。
以上のように、令和7年1~3月期の法人企業景気予測調査の結果は、日本経済の現状を的確に示すものであり、企業経営において考慮すべきポイントが浮き彫りになった。今後の動向を見極めつつ、適切な対応を取ることが各企業にとって重要となる。
⇒ 詳しくは財務省のWEBサイトへ