2025年4月7日
労務・人事ニュース
2025年4月 育児時短就業給付金創設 収入減を補填 月給の10%を支給する新制度が始動
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最終更新: 2025年5月1日 22:32
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厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年4月)について 育児時短就業給付の創設(厚労省)
令和7年4月から施行される「育児時短就業給付金」は、子どもが2歳になるまでの育児期間中に、労働時間を短縮して働く選択をした雇用保険の被保険者に対して、時短勤務による収入減少を補うために支給される新たな給付制度です。この制度は、子育てと仕事の両立をより現実的かつ柔軟に実現することを目的として設けられており、特に育児期の女性の就業継続や、男性の育児参加促進を図る上でも、大きな意義を持っています。少子化対策と労働力確保という国の中長期的な社会課題の解決にもつながる仕組みであり、企業にとっても採用や人材定着の戦略において無視できない制度になると考えられます。
この制度の対象となるのは、雇用保険の一般被保険者および高年齢被保険者で、2歳未満の子どもを養育するために、時短勤務を選択した労働者です。支給を受けるにはいくつかの要件があり、まずは育児休業給付を受けた後、復職して育児時短就業を開始したケース、または、過去2年間に被保険者期間が12か月以上あるケースが該当します。さらに、支給対象となる月についても、雇用保険の被保険者であること、1週間あたりの所定労働時間を短縮して勤務していること、育児休業給付や介護休業給付を受給していないこと、高年齢雇用継続給付の対象でないことといった条件をすべて満たしている必要があります。
支給額は、原則として時短勤務中に支払われた賃金の10%が支給されます。ただし、支給にあたってはいくつかの調整が行われます。具体的には、育児時短就業を開始する前の賃金水準を基準として、各月の賃金と給付金の合計額がこの基準を超えないように設定されています。また、月ごとの支払賃金と給付金の合計が上限額である459,000円(2025年7月31日までの金額)を超える場合は、支給額が減額される仕組みになっています。逆に、支給額が最低限度額である2,295円(同期間の額)を下回る場合には、給付は行われません。さらに、時短就業前の賃金と比較して賃金が下がっていない月や、すでに賃金が上限を超えている月なども支給対象外となります。
育児時短就業給付金の支給は、原則として育児時短就業を開始した月から、育児時短就業を終了した月までの各暦月について行われます。ただし、子どもが2歳になる月、あるいは育児休業や産前産後休業、介護休業など別の給付制度が開始される月、または育児対象の子を養育しなくなった場合には、その月をもって支給が終了します。また、同じ月の中で一人の子の育児時短を終え、別の子の育児時短を始めた場合には、その月は新たな子についての育児時短の支給対象期間とみなされ、対象が切り替わる形になります。
給付を受けるためには、原則として事業主が被保険者の育児時短就業開始時の賃金の届出、受給資格確認、支給申請を行う必要があります。ただし、被保険者が希望すれば、自ら支給申請を行うことや、1か月単位での申請も可能です。基本的には2か月ごとに2か月分の申請をまとめて行うのが標準的な手続きとされています。また、育児休業から引き続いて育児時短就業を開始した場合には、開始時の賃金届出は不要となっており、手続き上の簡略化も図られています。
このように、育児時短就業給付金は、柔軟な働き方を選択した労働者に対して、経済的負担を軽減しつつ、働き続ける環境を整備するための制度です。企業にとっては、従業員が出産・育児を経ても安心して職場に戻れる体制づくりが求められる中で、この制度を正しく理解し、従業員に案内・支援できる体制を構築することが必要です。また、育児時短制度の利用を積極的に後押しすることで、企業は多様な人材を長期的に雇用し続ける基盤を築くことができ、ひいては人材確保や企業の持続可能な発展にもつながっていきます。少子化が深刻化する中で、育児と就業を両立できる環境づくりは、企業の社会的責任としても重要性を増しており、こうした制度をいかに有効に活用するかが、今後の経営において大きな鍵を握ると言えるでしょう。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ