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2025年5月5日

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住宅支援制度が変わる、令和7年7月から準備施行される新たな住まいの枠組み

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「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する 法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定 ~本年10 月1日から、居住サポート住宅の認定制度等がスタートします!~(国交省)

令和7年4月22日、政府は「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定しました。これにより、本年10月1日から、住宅確保要配慮者が安心して居住できる環境を支援する「居住サポート住宅の認定制度」が正式にスタートすることになります。これは、近年急速に進行する人口動態の変化や社会的背景を踏まえたものであり、高齢者や低所得者、ひとり親世帯など、住宅の確保が困難な人々への実効性ある支援の第一歩となる政策です。

近年、単身世帯の増加や全体的な持ち家率の低下といった住宅事情の変化が進む中、賃貸住宅市場には多様なニーズが生まれています。特に高齢者や低所得者にとっては、生活拠点としての住まいを安定的に確保することが困難な場合も少なくありません。これに対して貸主側は、入居者の孤独死や死亡後の残置物の処理、あるいは家賃滞納などに対して不安を抱くケースが多く、結果として住宅確保要配慮者の入居が進みにくいという構造的な問題が存在していました。

そうした課題に応えるかたちで、令和6年6月5日に公布された改正法は、住宅セーフティネット制度の機能強化を図る内容となっており、これに基づいて居住サポート住宅の認定制度が創設されました。この制度は、住宅確保要配慮者の円滑な入居を後押しする新たな取り組みであり、認定を受けた賃貸住宅には、見守りや生活支援などの居住支援機能が組み込まれる予定です。賃貸人側にとっても、制度を通じて一定のリスクが制度的に緩和されるため、これまで以上に安心して住宅を提供できるようになります。

今回閣議決定された政令により、改正法の本格施行日は令和7年10月1日とされましたが、一部の準備的措置については同年7月1日から前倒しで実施されます。具体的には、改正法附則に掲げられた準備行為として、基本方針の策定、残置物処理等の業務認可、そして家賃債務保証業者の認定制度の整備が先行して始まります。これらは制度運用の円滑化に欠かせないものであり、早期の環境整備が求められます。

また、今後の制度運用においては、地方公共団体との連携も重要になります。住宅確保要配慮者への支援は、国の方針だけでは実効性に乏しく、実際の住宅供給や支援施策の実施には各地域の実情に即した対応が不可欠です。とくに自治体が主体的に行う住宅支援事業との整合性を持たせることで、制度の持続性と効果性を高めることが期待されています。

この制度の導入によって、民間賃貸住宅市場における偏見や不安が和らぎ、貸主が安心して要配慮者に住まいを提供できる環境が整備されることになります。また、認定制度が明確な基準のもとで運用されることにより、住宅の質の確保と安全性の向上も図られる見込みです。民間セクターの参加も促進され、住宅ストックの有効活用や空き家対策としての効果も期待されています。

企業にとっても、この政策は無関係ではありません。従業員の住環境の安定は、雇用の維持・拡大や労働生産性の向上に直結します。特に非正規雇用が多い業種や、地方に展開する企業においては、従業員が安定した住まいを確保できるかどうかが採用活動においても大きな差となる場合があります。企業がこの制度を活用し、地方自治体や住宅支援団体と連携することで、従業員の生活基盤を整えるだけでなく、地域社会との関係性も強化できるでしょう。

認定制度の詳細が今後さらに具体化される中で、企業としては、従業員への情報提供や、福利厚生制度への反映を含めた積極的な対応が望まれます。今後の制度運用において、地域ごとの対応や支援内容が異なる可能性もあるため、早期から情報収集を行い、適切な準備を進めておくことが重要です。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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