2025年5月5日
労務・人事ニュース
毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果確報 現金給与総額は288,697円(2.7%増)
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最終更新: 2025年5月5日 01:07
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毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果確報(厚労省)
令和7年2月分の毎月勤労統計調査(確報)によると、全国の労働市場において賃金と労働時間に関する様々な変化が明らかになりました。事業所規模5人以上を対象としたこの調査によれば、全体の現金給与総額は288,697円となり、前年同月比で2.7%の増加が見られました。一般労働者に限れば、月間の給与は372,706円となり、前年比で3.6%の伸びを記録しました。一方で、パートタイム労働者の給与は107,306円で、前年同月比2.1%の増加にとどまっています。これは、企業側が正規雇用に対して引き続き高い処遇を維持している一方で、非正規雇用に対する待遇改善が緩やかである現状を物語っています。
きまって支給される給与についても、一般労働者で360,729円(前年比2.2%増)、パートタイム労働者で106,458円(1.9%増)と増加が確認されました。特筆すべきは、パートタイム労働者の時間当たり給与が1,385円に達し、前年比で4.6%も上昇している点です。時間単価ベースで見れば、非正規雇用者の労働価値が見直されつつあるとも言えます。
特別に支払われた給与は、全体で8,454円と前年比で74.1%の増加を示し、特に一般労働者においては11,977円(79.5%増)と著しい伸びを見せています。これは賞与などの一時的な支払いが前年と比較して大きくなったことを示しており、企業の収益回復が進んだ結果とも解釈できます。
しかしながら、実質賃金では厳しい結果が浮かび上がっています。名目賃金が上昇しているにもかかわらず、消費者物価の上昇が影響し、実質賃金は前年比で-1.5%の減少を記録しました。これにより、労働者の実質的な購買力は低下していることが分かります。特にパートタイム労働者では-2.1%とさらに大きな減少幅を示しており、物価上昇に対する脆弱さが際立っています。
労働時間の面では、就業形態全体で総実労働時間が130.8時間と、前年同月比で2.8%減少しました。一般労働者は155.8時間(-2.3%)、パートタイム労働者は76.8時間(-2.6%)と、いずれも減少傾向にあります。とりわけ所定外労働時間(いわゆる残業)は、一般労働者で13.3時間(-2.2%)、パートタイム労働者では2.2時間ながら4.8%増加と、興味深い対照的な動きを見せています。これは、パートタイム労働者にも業務負担が増加していることを示唆しており、働き方改革が一部の業種や職種で限定的に進んでいる現状を表しています。
常用雇用者数は全体で5,105万人となり、前年比で1.6%増加しました。一般労働者は3,489万人(0.5%増)、パートタイム労働者は1,615万人(4.0%増)と、非正規雇用の伸びが顕著です。また、パートタイム労働者の比率は31.65%となり、前年より0.73ポイント上昇しました。これにより、日本の雇用構造がますます多様化している様子が浮かび上がってきます。
産業別に見ると、金融業・保険業での給与増加が特に目立ち、現金給与総額は495,000円と前年比22.8%の増加を示しました。また、特別に支払われた給与においても95,244円と前年比349.9%の上昇となっており、業績好調な企業が従業員への還元を積極化していることが伺えます。情報通信業も依然として強く、425,867円の現金給与総額で前年比5.0%の増加を記録しました。
一方で、運輸業・郵便業は310,483円で前年比-2.9%の減少を記録し、同業種の課題が浮き彫りとなっています。パートタイム労働者の割合が高く、人手不足や燃料価格の高騰といった外部要因の影響が業績に重くのしかかっていると推察されます。教育・学習支援業では給与の伸びは見られるものの、労働時間の減少が顕著で、労働環境の改善や業務負担の見直しが急務とされています。
このようなデータからは、日本の労働市場が変化の渦中にあることが明確に読み取れます。企業の採用担当者にとって、こうした賃金や労働時間の傾向を正しく把握することは、将来的な人材戦略を描く上で不可欠です。特に、パートタイム労働者の比率が高まる中で、非正規労働者への教育訓練やスキルアップ支援の強化が企業価値の向上に直結することは間違いありません。今後も労働市場の柔軟性と包摂性を両立させた持続可能な働き方の実現に向け、企業の取り組みが問われていくことになります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ