2025年4月17日
労務・人事ニュース
全国841地点の暑さ指数から警報発令、熱中症アラートが4月23日から本格運用開始
- 商業施設の常駐警備
最終更新: 2025年5月1日 05:38
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最終更新: 2025年5月1日 09:34
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最終更新: 2025年5月1日 11:34
令和7年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します(環境省)
令和7年4月23日から、環境省は気象庁と連携し、令和7年度の熱中症特別警戒アラートおよび熱中症警戒アラートの運用を開始します。これは、近年ますます深刻化している熱中症による健康被害への対策として導入されるものであり、特に異常高温が予測される場合には、地域住民が早期に対応できるよう注意喚起を強化する目的があります。こうした情報提供体制の拡充は、気候変動が人々の健康に与える影響が顕在化している中、国としての対応力を高める重要な取り組みであるといえます。
熱中症は、湿度や日射、気温といった環境要因によって引き起こされる健康障害であり、特に高齢者や乳幼児、屋外労働者にとっては命に関わる問題となり得ます。実際に、ここ数年の統計を見ると、国内では毎年数万人規模の人が熱中症により救急搬送されており、死亡者数も高い水準で推移しています。この背景を踏まえて環境省は、令和3年度より熱中症警戒アラートを本格運用し、さらに令和5年の気候変動適応法改正により、新たに「熱中症特別警戒アラート」が制度化されました。
この「熱中症特別警戒アラート」は、従来の警戒アラートを超える危険な状況を想定したもので、過去に例のない高温が広範囲で予想される場合に発表されます。具体的には、都道府県内すべての暑さ指数観測地点で、翌日の暑さ指数が35以上になると予測された場合に、前日の午後2時を目安に発表される仕組みです。通常の熱中症警戒アラートでは、暑さ指数が33以上になる予測があった際に、府県予報区ごとに前日の午後5時と当日の午前5時に発表されますが、特別警戒アラートはそれを上回る異常気象への対応となっています。
暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度や日射の影響も反映した指標であり、人体への熱負荷をより正確に示すことができます。この指数は、全国841地点に設置された観測点で毎日測定・予測されており、その情報は環境省の熱中症予防情報サイトを通じてリアルタイムで確認することができます。特に今回の運用期間となる令和7年4月23日から10月22日までの約半年間は、最も熱中症リスクが高まる季節であり、早期の情報入手と適切な行動が求められます。
情報提供方法も多様化されており、従来のウェブサイトに加えて、個人向けメール配信サービス「すぐメールPlus+」によるアラート配信が4月23日0時よりスタートします。また、環境省は公式LINEアカウントを通じて、スマートフォンユーザー向けにアラート通知を行っており、登録すれば誰でもリアルタイムで熱中症関連の情報を受け取ることが可能です。これにより、家庭や職場、学校など、あらゆる生活シーンで迅速に対応がとれる環境が整いつつあります。
特別警戒アラートが発表された際には、個人の予防行動に加え、地域全体での共助、公助の体制も強く意識する必要があります。高齢者世帯や独居の方々に対しては、周囲の人々が声かけや見守りを積極的に行うことが重要です。また、行政や企業によるクーリングシェルターの設置、冷房の使用支援、水分・塩分補給の啓発など、多層的な支援が求められます。政府は令和5年に「熱中症対策実行計画」を策定し、関係府省庁と連携して「熱中症予防強化キャンペーン」を展開中であり、その一環としてこれらのアラート運用が位置づけられています。
企業にとっても、このアラート制度の導入は業務運営や労働環境管理に直結する要素です。特に屋外作業を行う建設業、物流業、農業、警備業などの業種では、作業中の熱中症リスクをいかに低減させるかが大きな課題です。今回の制度改正により、日々の業務における暑さ指数の確認を標準化し、アラート発表時には柔軟な勤務体制への移行や作業時間の短縮、休憩の増加といった具体的な対策を事前に定めておく必要があります。
また、採用担当者にとっては、こうした制度への対応を通じて「社員の健康を守る企業」であることをアピールできる好機でもあります。熱中症予防対策がしっかりしている職場は、求職者から見ても安心できる職場環境と映り、特に若年層や女性層の応募動機にポジティブな影響を与えることが期待されます。企業説明会や採用パンフレットの中に、熱中症対策の取り組みを明記することで、企業の安全配慮姿勢を具体的に伝えることが可能です。
これから迎える夏本番に向けて、官民一体となった取り組みが一層求められます。個人、地域、企業、行政がそれぞれの立場から適切に連携し、「命を守る情報」としてのアラート制度を十分に活用していくことが、気候変動に対応する新たな社会インフラの形成につながっていきます。
環境省熱中症予防情報サイト
PC版⇒https://www.wbgt.env.go.jp/
スマートフォン版⇒https://www.wbgt.env.go.jp/sp/
携帯電話版⇒https://www.wbgt.env.go.jp/kt/
個人向けメール配信サービス⇒https://www.wbgt.env.go.jp/mail_service.php
環境省LINE公式アカウント⇒https://www.wbgt.env.go.jp/line_notification.php
⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ