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2025年4月27日

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マニュアル活用で市民啓発の担い手育成へ、食品ロス削減で地域の信頼獲得

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「地方公共団体向け食品ロス削減推進計画策定マニュアル」の公表について(環境省)

2025年4月8日、環境省は「地方公共団体向け食品ロス削減推進計画策定マニュアル」を新たに公表しました。これは、令和7年3月25日に閣議決定された「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」に基づき、都道府県および市区町村が自らの地域における食品ロス削減推進計画を策定する際の指針としてまとめられたものです。食品ロスは、単なる環境問題や経済損失にとどまらず、持続可能な社会を築く上で欠かせない課題のひとつとして、国際的にもその対策が急務とされています。このような背景を踏まえ、国として地方自治体の取り組みを強力に後押しする体制を整えた点に、本マニュアルの意義が込められています。

そもそも食品ロス削減推進法は、2019年(令和元年)5月に制定され、以後、自治体による地域レベルでの取り組みの必要性が明文化されました。法律では、地方公共団体に対し、区域内における食品ロス削減の推進に関する計画を定めるよう「努めなければならない」とされていますが、その策定方法や進め方についてはこれまで体系的な手引きが不足しており、特に小規模自治体では実務上の負担やノウハウ不足が大きな課題となっていました。これに対応する形で、環境省では2020年度から2023年度にかけて、自治体の実情に応じた技術支援事業を展開し、その成果をこのたびのマニュアルに結実させた形です。

今回公表されたマニュアルでは、計画策定に関する基本的な枠組みとして、いわゆるPDCAサイクルを明示しています。すなわち「Plan=計画の策定」「Do=計画の推進」「Check=進捗確認」「Act=見直し」といった一連のプロセスが、体系的かつ実践的に整理されており、自治体の担当者が自らの地域特性を踏まえつつ、食品ロス削減の具体策を構築できる内容となっています。特に「Plan」の段階では、現状の食品ロス発生量の把握、削減ポテンシャルの分析、関係者の役割整理などが求められます。環境省がこれまで支援した自治体の事例によれば、家庭からの食品ロス量が年間1人あたり約50kgにのぼる自治体も存在しており、ここに施策を集中させることで目に見える成果が得られる可能性があります。

また、「Do」の段階では、地域内の事業者や学校、飲食店、小売店との連携を図る施策の具体化が求められています。たとえば、賞味期限の理解促進、食材の適量提供、残さず食べる習慣づくりなど、市民一人ひとりの行動変容を促す啓発活動が重要です。さらに「Check」では、削減率やイベント参加者数、回収された食品量など、定量的な評価指標を設定することが推奨されています。これは単に施策の進捗管理にとどまらず、次年度以降の施策改善や、地域の成功事例としての対外発信にも資するものです。

このマニュアルの構成は、自治体の担当者が初めて計画策定を行う際にも活用しやすいよう、具体的な事例やチェックリスト、参考様式などが充実しており、実務での即戦力となる内容に仕上がっています。さらに、食品ロスに関する基礎知識や、計画策定に必要な法律的根拠、関係省庁との連携のあり方なども盛り込まれており、行政だけでなく、民間事業者との連携強化にもつながる構成となっています。

環境省ではこのマニュアルの周知と併せて、食品ロスに関する情報を集約した専用のポータルサイトも運営しており、消費者向け、自治体向け、事業者向けに情報が分類・整理されています。この情報発信体制により、各主体が自らの立場から適切に情報を取得し、行動に移せる環境が整備されつつあります。

企業の採用担当者にとって、このような施策は非常に実務的な意味合いを持ちます。特に環境対策やSDGsの実践が企業価値向上に直結する現在、食品ロス削減に関心を持ち、自治体や地域と連携しながらプロジェクト推進できる人材は大きな競争力を持つ存在といえるでしょう。また、地方自治体とパートナーシップを築き、地域課題に対応するビジネスモデルの構築に関心を持つ人材の採用・育成は、地域密着型企業にとって長期的な事業継続の基盤となります。さらに、自治体計画の進捗に応じて補助制度や連携事業が拡充される可能性もあるため、企業としても事業活動の一環として参画することで、環境・社会への貢献を実績として可視化できるメリットがあります。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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