2025年4月27日
労務・人事ニュース
小型船舶の安全対策を全国展開、リーフレット配布と訪船指導で事故抑制へ
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「小型船舶に対する安全キャンペーン」を実施! ~全国のマリーナ・漁港等での周知・啓発活動及び小型旅客船等の安全確認等を行います~(国交省)
国土交通省海事局は、令和7年4月14日から同年8月29日までの期間にわたり、全国規模で「小型船舶に対する安全キャンペーン」を実施することを発表しました。このキャンペーンは、警察庁、海上保安庁、水産庁、日本小型船舶検査機構と連携して進められるもので、小型船舶に関わる海難事故の未然防止を目的とし、全国のマリーナや漁港などを中心にリーフレットの配布や訪船による安全確認、啓発活動などが行われます。安全対策の対象には、水上オートバイ、プレジャーボート、漁船、小型旅客船、ダイビング船、そして川下り船が含まれており、実施内容は非常に多岐にわたるものとなっています。
このキャンペーンが行われる背景には、近年における小型船舶関連の事故が全国的に増加傾向にあるという状況があります。とりわけ水上オートバイの事故や漁業従事者による操船ミスなどによる衝突・転覆事故、さらにはライフジャケット未着用による溺水事故などが顕著に見られ、事故の発生件数が年間で数百件を超える状況が続いています。これに対し、海事局では技術的・制度的な安全対策に加え、現場での啓発と指導を通じて実効性の高い事故防止策を推進する必要性があると判断し、今般のキャンペーンの実施に至りました。
キャンペーンの第一の柱となるのが、マリーナや漁港でのリーフレット配布による周知・啓発活動です。このリーフレットには、小型船舶利用者が遵守すべき基本的な安全確保策が分かりやすくまとめられており、ライフジャケットの正しい着用、発航前点検の実施、機関故障時の対応法、水上オートバイ特有の安全ルールなどが詳細に記載されています。特にライフジャケットの着用については、死亡事故との直接的な相関が多数報告されており、これまでの調査ではライフジャケット非着用による致命率が着用時の4倍以上にのぼるとのデータも存在しています。
また、川下り船については、特に観光地での利用が多く、安全管理の徹底が重要視されています。今回のキャンペーンでは、「川下り船の安全対策ガイドライン」に基づいて、ライフジャケットの常時着用や操船者の適格性確認、避難誘導体制の整備といった具体的措置が各事業者に対して徹底される予定です。川下り船は自然条件の変化を受けやすく、急激な増水や岩礁との接触リスクも高いため、過去には重大事故も発生しています。そうした背景を踏まえ、ガイドラインの周知徹底と遵守状況の確認は、今後の観光産業の信頼性向上にもつながる取り組みとなります。
さらに、プレジャーボート、漁船、ダイビング船、小型旅客船については、地方運輸局や運輸監理部、沖縄総合事務局の職員によるパトロールと訪船による個別指導が実施されます。この訪船指導では、小型船舶操縦士免許の所持確認、船舶検査の受検状況、法定備品の設置有無、安全マニュアルの有無などがチェックされるとともに、不備が確認された場合はその場で是正指導が行われる予定です。特に小型旅客船については、多数の乗客を乗せて運航する性質上、消防設備や救命器具の完備が求められ、事故発生時の被害を最小限にとどめるための備えが必要不可欠です。
このような活動は、法令順守の促進に加え、操船者自身の安全意識を高める啓発にもつながります。実際に過去の同様のキャンペーンでは、船舶事故件数が対象地域で一時的に10%以上減少するなどの成果が報告されており、今後の事故低減への波及効果も期待されています。また、こうした取り組みは海上保険のリスク評価にも好影響を与え、保険料の抑制や事故発生時の補償対応の迅速化にも貢献する可能性があります。
企業の採用担当者にとっても、このような海上安全施策の強化は、船舶運航や海洋関連事業に携わる専門職人材の確保・育成に影響を与える重要な要素となります。特に海運、造船、観光などの業種では、海事法規や安全管理の知識を備えた人材が求められる傾向が高まっており、安全キャンペーンのような取り組みは教育訓練や研修制度の設計にも反映されていくと考えられます。また、マリーナ運営企業や観光事業者においても、事故防止体制の強化は企業の社会的責任(CSR)としての評価を左右するポイントとなり得るため、関係する人材への研修機会の提供や資格取得支援の拡充が検討される場面も増えていくことが予想されます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ