2025年4月19日
労務・人事ニュース
令和7年2月の北海道有効求人倍率は0.96倍、道内企業の採用戦略に求められる地域格差対応
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最終更新: 2025年5月20日 03:01
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最終更新: 2025年5月20日 10:15
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最終更新: 2025年5月20日 09:36
令和7年2月の雇用失業情勢について(北海道労働局)
2025年4月1日に北海道労働局より公表された「令和7年2月分 北海道の一般職業紹介状況」によると、道内の雇用情勢は回復の兆しが見られるものの、依然として弱含みの状態が続いています。有効求人倍率は前年同月の1.00倍から0.04ポイント低下し、0.96倍となりました。これにより、求職者1人に対して1件にも満たない求人という状況が続いており、特に中高年層や特定の業種における求人環境の厳しさが浮き彫りとなっています。
道内の新規求人数は27,426人で、前年同月と比較すると8.4%の減少となり、これで24か月連続で前年を下回る結果となりました。月間の有効求人数も77,244人で、前年同月比で6.9%の減少と、求人全体の縮小傾向が鮮明になっています。正社員の有効求人倍率は0.84倍と前年の0.82倍から若干の改善が見られましたが、依然として1倍に届かない水準であり、安定した雇用を望む求職者にとって厳しい状況が続いています。
一方で、新規求職申込件数は14,933人で前年同月から12.5%の減少となり、7か月連続でのマイナスとなりました。月間有効求職者数も80,123人で、3.2%の減少が確認されており、求職者数の減少も同時に進行しています。これは就労希望者の減少、あるいは求職活動を諦める人の増加が背景にある可能性が考えられます。特に若年層や高齢層の一部で就職を控える動きが見られるほか、物価高や不安定な経済状況を受けた働き方の変化も要因として挙げられます。
産業別に見ると、宿泊業・飲食サービス業は前年同月比で4.3%の増加となり、観光需要の回復やイベント開催の増加が新たな雇用を生み出している様子がうかがえます。一方で、医療・福祉分野では11.2%の減少が見られ、12か月連続で前年を下回る結果となっています。この傾向は、施設の運営体制や人材不足の影響、業務の過重負担による離職率の高さなどが背景にあると考えられます。製造業や建設業、卸売・小売業も軒並み求人数が減少しており、特に製造業は8.4%の減少で、12か月連続の前年割れという深刻な状況にあります。
地域別の有効求人倍率では、最も高かったのが浦河で1.87倍、次いで根室の1.68倍、稚内の1.66倍、小樽の1.53倍と地方都市における求人倍率の高さが目立ちます。一方、札幌市やその周辺の安定所では軒並み1.0倍を下回っており、例えば札幌は0.91倍、札幌東が0.71倍と、都市部における求人数の減少と求職者の集中が続いています。これは都市部への人口集中が続く中で、企業側の採用抑制が進んでいることや、パートや非正規を希望する求職者が増加していることが影響していると考えられます。
職種別では、専門的・技術的職業の有効求人倍率が1.60倍と比較的高い水準にあるものの、前年から0.10ポイントの減少が見られました。特に医療関係職や看護・介護職など社会的に重要な職種での求人は多いものの、求職者とのミスマッチが続いています。また、事務職の有効求人倍率は0.45倍と低迷しており、人気職種であるがゆえに競争が激しい状況にあります。サービス職や販売職もやや持ち直しているものの、いまだ不安定な動きが見られます。
正社員求人の割合は全体の52.0%と、前年に比べて2.1ポイント上昇しました。これは、企業が即戦力となる人材を求める傾向が強まっていることや、非正規雇用から正規雇用への転換を進める動きが影響していると考えられます。ただし、正社員求人自体は前年同月比で4.4%減少しており、求人全体の中で正社員枠を維持しつつも、その数は減少している点には注意が必要です。
北海道全体で見ると、失業率は2.4%と前年の2.6%からやや改善しているものの、完全雇用には至っていません。特に冬季の建設需要や観光業の変動が大きい地域であるため、季節的な影響を受けやすく、季節ごとの対応が重要となります。また、ITや情報通信業における求人の伸び悩みも、今後のデジタル人材確保に課題を残す要素となっています。
企業の採用担当者にとって、今回のデータは北海道内の人材確保や求人戦略の方向性を定める上で非常に重要な資料です。業種ごとの求人動向、地域ごとの求人倍率、そして雇用形態の変化に応じた柔軟な採用戦略の構築が求められる状況にあるといえるでしょう。
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ