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2025年5月14日

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令和7年3月 鹿児島県有効求人倍率1.11倍、建設業が11.9%増加の背景を徹底解説

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令和7年3月及び令和6年度総括の雇用失業情勢について(鹿児島労働局)

令和7年5月2日、鹿児島労働局は最新の雇用失業情勢に関するデータを発表しました。令和7年3月時点における鹿児島県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.11倍となり、前月より0.03ポイント上昇しました。これは求人件数が求職者数を上回る状況が継続していることを意味しており、鹿児島県内の労働市場が引き続き堅調に推移していることを示しています。しかしながら、有効求人数の前年同月比では4.1%減少しており、労働市場全体としては徐々に求人意欲の減少傾向が続いています。

令和7年3月の有効求人数は37,264人で、前月比では2.6%増加しましたが、前年同月比では減少しています。一方、有効求職者数は33,573人で、前月比0.3%減少、前年同月比でも減少傾向にあります。新規求人倍率は2.05倍となり、前月比で0.03ポイント上昇し、2か月連続で上昇しました。しかし新規求人数そのものは前年同月比で4.1%減少しており、5か月連続の減少となりました。主要産業別に見ると、建設業だけが11.9%増加した一方で、製造業、運輸・郵便業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、サービス業といった他の主要産業では軒並み減少が見られました。

また、鹿児島県における令和6年度の平均有効求人倍率は1.13倍となり、前年より0.07ポイント減少しました。年度平均の有効求人数は38,424人で前年比7.2%減少、有効求職者数は34,072人で前年比1.2%減少となっており、全体的な求職・求人活動の縮小傾向が読み取れます。この背景には物価上昇や企業業績の慎重化が影響している可能性があり、鹿児島労働局も雇用情勢への影響を注視する必要があるとしています。

新規高等学校卒業予定者に関するデータでは、令和7年3月末時点での就職内定率は99.5%と高水準を維持しましたが、前年同月比では0.3ポイントの減少となりました。求人数は6,604人で前年同月比5.3%減少し、求職者数は3,173人で前年同月比0.2%減少しました。求人倍率は2.08倍となり、前年同月比で0.11ポイント減少しました。このように、高卒者向けの求人市場においても若干の縮小傾向が見られます。

新規大学卒業予定者に関するデータでは、県内6大学における就職内定率は97.7%と前年同月比0.4ポイント上昇しました。短期大学卒業予定者に関しても、就職内定率は98.8%と前年同月比1.1ポイント上昇し、いずれも高い水準を維持しています。特に県内就職内定者の割合は増加傾向にあり、地域経済への定着が期待されています。ただし、求人数全体は減少しているため、企業側には早期からの採用活動強化が求められています。

また、雇用保険の受給状況については、受給資格決定件数が前年同月比で減少傾向にあり、失業給付を受けながら職探しを行う層が減少しています。就職件数についても、55歳以上と65歳以上の年齢層で前年同月を上回ったものの、それ以外の年齢層では減少しており、若年層における就業支援のさらなる強化が求められる状況です。

正社員有効求人倍率は1.08倍で、前年同月比では0.03ポイント低下しました。特に若年層向けの正社員求人については引き続き堅調ですが、中高年層向けの正社員求人については厳しさが増していると見られます。産業別では、建設業が堅調な伸びを見せた一方で、製造業や運輸・郵便業、宿泊・飲食サービス業などでは求人縮小が目立っています。このため、産業間での求人格差が一層拡大しており、企業における人材獲得競争も一段と厳しさを増しています。

鹿児島県においても、全国的な傾向と同様に、物価上昇が企業経営に影響を及ぼしていることが背景にあり、採用活動にも慎重さが求められています。労働局では今後も大学や高校と連携し、新卒者向け支援の強化を続ける方針であり、心理的ケアや職業訓練など多面的な支援策が用意されています。未内定者に対する個別支援も強化され、より柔軟な支援体制の構築が図られています。

まとめると、令和7年3月時点の鹿児島県における労働市場は、有効求人倍率1.11倍という安定的な水準を維持しつつも、全体的な求人数の減少や産業間格差の拡大といった課題を抱えています。企業の採用担当者にとっては、早期からの採用活動の強化、業種・地域特性に応じた戦略的なアプローチ、そして職場環境や待遇の改善を通じた人材確保努力がこれまで以上に重要となっています。

⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ

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