2025年5月13日
労務・人事ニュース
令和7年3月愛知県の有効求人倍率1.32倍、堅調な雇用市場に挑む企業の採用最前線
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県内の雇用失業情勢について(愛知労働局)
令和7年3月の愛知県における労働市場の状況は、引き続き堅調な雇用環境を示しており、有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍となりました。これは前月に比べて0.03ポイント上昇しており、3か月連続での上昇となりました。全国平均の1.26倍を上回る数値であり、愛知県の雇用情勢が依然として全国的にも良好な部類にあることを示しています。加えて、東海地方全体の有効求人倍率も1.26倍と全国平均と同水準にあり、地域全体として安定した雇用環境が形成されています。
一方で、新規求人倍率(季節調整値)は2.41倍となり、前月より0.16ポイント低下しました。新規求人数は43,215人と、前月比で5.1%の減少が見られました。これは企業側の新規採用意欲がやや慎重になっていることを示唆しており、外部環境の不確実性が採用活動に影響を与え始めている可能性があります。一方で新規求職者数は17,903人で、前月比1.2%増加しており、求職活動を開始する人が若干増加しています。
正社員に限定した有効求人倍率(原数値)は1.20倍で、前年同月比では若干低下しましたが、それでも1倍を大きく超える水準を保っています。正社員有効求人数は100,949人、有効求職者数は98,117人となっており、求人数が求職者数を上回る売り手市場が続いています。このように、企業側は依然として人手不足感を強く抱えているものの、特に正社員採用においては慎重な姿勢が一部見られます。
産業別の新規求人動向を詳しく見ると、製造業においては輸送用機械器具製造業が前年同月比で10.4%増加し、引き続き好調を維持しています。一方、食料品製造業は前年同月比で26.6%減少、繊維工業も27.1%減少するなど、業種によっては減少傾向が目立っています。建設業では3.8%の増加が見られたものの、宿泊業や飲食サービス業では減少幅が大きく、宿泊業が16.8%減少、飲食店も11.2%減少しています。観光需要の回復が一服し、今後の動向が注目されています。
地域別の有効求人倍率を見ると、名古屋地域が1.73倍と高い水準を維持していますが、尾張地域は1.11倍、西三河地域は1.18倍、東三河地域は1.03倍と地域格差が存在します。特に東三河地域では求職者数に対する求人数がやや少なく、採用活動には工夫が必要となります。
職業別に見ると、建設・採掘関連職種における求人倍率が非常に高く、建設躯体工事従事者においては有効求人倍率が9.93倍にも達しています。これは建設業界の人手不足が深刻化していることを示しています。一方、事務職では有効求人倍率が0.40倍と低く、求職者数が求人を大きく上回っています。このように、職種による需給バランスの違いが非常に顕著になっています。
年齢層別の新規求職者動向をみると、55歳以上のシニア層の求職活動が目立ち、50~59歳層での新規求職申込件数が前年同月比で減少しているものの、依然として高い水準を維持しています。若年層では20~24歳の新規求職申込件数が3,651件、25~29歳が5,120件と堅調ですが、これらの層に対する求人確保が企業にとって今後の大きな課題となるでしょう。
このように令和7年3月の愛知県内雇用情勢を総括すると、堅調な有効求人倍率の推移に支えられ、企業にとっては引き続き採用難が続く一方で、新規求人の減少や地域格差、業種間の需給バランスの違いといった新たな課題も浮き彫りになってきています。企業の採用担当者は、特定の地域・職種・年齢層に応じた戦略的な採用活動を行う必要性がより一層高まっています。柔軟な雇用条件の設定や、リスキリング支援などを通じて、潜在労働力の活用を図ることが求められる局面に入っているといえます。
⇒ 詳しくは愛知労働局のWEBサイトへ