2025年5月15日
労務・人事ニュース
全国平均30万円超え!令和6年11月の最新給与統計から読み解く採用戦略
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最終更新: 2025年5月14日 22:37
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最終更新: 2025年5月14日 22:37
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最終更新: 2025年5月14日 22:37
毎月勤労統計調査地方調査 令和6年11月分結果概要 事業所規模5人以上 調査産業計(厚労省)
令和6年11月の労働統計調査によると、事業所規模が5人以上の企業を対象に集計された全国の労働市場の動向が明らかになりました。今回の調査では、常用労働者数、労働時間、出勤日数、給与水準といった多角的な観点から、各地域の特徴が細かく分析されています。特に企業の採用担当者にとっては、地域別の給与水準や労働時間に関するデータが、採用戦略を練る上で非常に参考になる内容となっています。
まず、全国の常用労働者数は5121万9200人に達しており、総実労働時間は140.2時間、所定内労働時間は129.8時間、所定外労働時間、いわゆる残業時間は10.4時間という結果でした。これらの数値は、前年同月と比較して微増傾向にあり、労働市場の安定した需要を示唆しています。また、出勤日数は平均18.1日で、過度な出勤負担がかかっていない状況もうかがえます。
次に給与面を見ていくと、全国の現金給与総額は30万8486円、うちきまって支給される給与は28万5231円、所定内給与は26万4618円、特別給与、つまり賞与など一時的に支払われた金額は2万3255円となりました。この数字からもわかる通り、賞与を除いた基本的な月給ベースで28万円前後が支払われている実態が浮き彫りとなっています。採用活動においては、これらの給与水準を考慮し、地域別の給与競争力を把握することが重要です。
地域別に見ると、北海道の常用労働者数は181万6200人で、総実労働時間は142.1時間と全国平均よりやや高い水準にありました。現金給与総額は27万4456円で、きまって支給する給与は25万9016円、所定内給与は24万2028円、特別給与は1万5440円となっています。全国平均と比較するとやや低めの給与水準であるものの、労働時間や出勤日数はほぼ全国並みとなっており、労働条件としてはバランスが取れています。
一方で、東北地方に位置する青森県では、常用労働者数は40万4200人と北海道より少ないものの、総実労働時間は153.4時間と高めで、出勤日数も19.9日と全国平均より多くなっています。現金給与総額は26万3280円、きまって支給される給与は24万1164円、所定内給与は22万5828円、特別給与は2万2116円でした。このデータから、青森県においては比較的長時間働き、かつ出勤日数も多い傾向がある一方、給与水準がやや低いことが確認できます。採用担当者としては、労働条件に見合った給与提示を工夫し、優秀な人材を確保するための施策が求められます。
岩手県についても見てみると、常用労働者数は42万2200人、総実労働時間は146.7時間、所定内労働時間は137.9時間、所定外労働時間は8.8時間、出勤日数は19.1日でした。現金給与総額は27万1198円、きまって支給される給与は25万2556円、所定内給与は23万6753円、特別給与は1万8642円となっています。岩手県では労働時間、出勤日数、給与水準ともに青森県と似た傾向が見られるものの、若干短い労働時間である点が異なります。こうした差異を的確に把握することで、ターゲット人材へのアプローチ方法をより緻密に設計することが可能になります。
さらに、今回の調査結果から、地方と都市部の労働条件の違いも浮き彫りになりました。都市部に位置する地域では、労働時間が比較的短く、給与水準が高い傾向が見られ、逆に地方では労働時間が長く、給与水準はやや低めという傾向が確認されています。これは地方企業にとっては、人材確保に向けてより一層の魅力付けが求められることを意味しており、例えば柔軟な勤務制度の導入や、福利厚生の充実、リモートワークの推進など、給与以外の魅力を高める戦略が今後重要になるでしょう。
また、特筆すべきは全国平均の特別給与額が2万3255円である点です。これは月単位で見れば少額に見えるかもしれませんが、年2回の賞与などを含めれば年間5万円前後のインパクトとなり、労働者にとっては重要な収入源です。企業側もこの特別給与の支給タイミングや金額設定を工夫することで、従業員満足度向上につなげることが可能です。
採用活動の現場では、こうした統計データに基づいた施策立案が欠かせません。実際、全国平均に対して自社の給与や労働時間がどの位置にあるかを把握し、ターゲット人材に対してどのような訴求ポイントが有効なのかを明確にしていくことが、採用成功のカギとなります。例えば、「当社では全国平均よりも1割高い給与水準を保証」「全国平均よりも所定外労働時間が20%少ない働きやすい職場環境」など、データに裏付けられたアピールポイントを用意することで、候補者に強いインパクトを与えることができます。
今後、少子高齢化が進み、労働力人口が減少していく中で、採用競争はさらに激化することが予想されています。そのため、こうしたデータを正確に分析し、企業ごとの特性や強みを明確に打ち出す取り組みがより一層求められる時代になっていくでしょう。調査データを最大限に活用し、戦略的な採用活動を展開することこそが、持続的な企業成長を実現する近道となります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ