2025年7月5日
労務・人事ニュース
【令和7年5月】死亡事故966件で前年比1.3%増、企業の運転者教育が改めて焦点に
-
介護職員/JR鹿児島本線/笹原駅福岡県/福岡市博多区
最終更新: 2025年7月4日 12:35
-
看護師/福岡県/北九州市小倉北区/北方駅
最終更新: 2025年7月4日 12:35
-
看護師/舞松原駅/福岡県/福岡市東区
最終更新: 2025年7月4日 12:35
-
看護師/福岡市東区/福岡県/舞松原駅
最終更新: 2025年7月5日 02:01
交通事故統計月報(令和7年5月末)(警察庁)
警察庁交通局が発表した令和7年5月末時点の交通事故統計によれば、全国における交通事故の発生件数、死者数、そして負傷者数のいずれも、前年同期と比べて減少傾向が見られました。中でも、交通事故全体の件数は112,937件で、前年より4,570件減少し、率にして3.9%の減少となっています。負傷者数についても6,065人減少し、132,976人となっており、こちらは4.4%の減となりました。これらの数字は、交通安全対策や運転者の意識向上が一定の成果を上げている可能性を示唆しています。
しかしながら、注目すべき点として、死亡事故の件数自体は前年より12件増加しており、966件となりました。これは1.3%の増加にあたります。死者数そのものは982人で、前年から2人減ってはいるものの、わずか0.2%の減少にとどまりました。つまり、死亡事故の件数は増えている一方で、1件あたりの死者数がやや減少しているという結果になっています。この点からは、事故の内容や発生状況が変化してきている可能性がうかがえます。
特に5月単月の統計においては、交通事故件数が22,010件で前年同月比で8.9%の大幅な減少となっている一方、死亡事故件数は169件で、前年同月から26件減少し13.3%の減少となっています。これにより、5月中の死者数は172人で前年の206人から34人減少しており、減少率は16.5%と顕著です。月単位で見ると、交通事故による死者が大幅に減っていることが確認できます。
年齢層別で見てみると、65歳未満の死者数は430人で、前年同期より1人増加しましたが、65歳以上の高齢者の死者数は552人で3人減少しています。これにより、高齢者の構成比は全体の56.2%を占めており、依然として高い割合を示しています。とりわけ85歳以上の死者数が前年の137人から153人へと増加しており、高齢者の安全対策が依然として重要な課題であることが明確になっています。
事故の形態別に見ると、自動車乗車中の死者数は335人で前年と比べて1人の減少、歩行中の死者数は363人で前年から24人減少しています。一方、自転車乗用中の死者数は116人と前年から14人増加し、13.7%の増加率となっています。これらのデータは、交通手段の多様化に伴い、新たなリスクへの対策が求められている現状を示しています。
また、シートベルトの着用状況も注目すべきポイントです。着用していた場合の死者は191人で前年より3人減少しているのに対し、非着用だった死者は126人で6人増加しており、安全装備の使用が命を守るためにいかに重要かを物語っています。
全体を通して見ると、交通事故の件数や負傷者数は着実に減少しているものの、死亡事故の件数が増加しているという事実は重く受け止める必要があります。特に高齢者や自転車利用者の事故リスクが浮き彫りになっており、今後の交通安全施策では、より対象を絞った取り組みが求められるでしょう。各企業や自治体においても、こうした統計データをもとに、従業員や地域住民の交通安全教育の見直しや新たな対策の導入が急がれます。
⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ