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2025年7月16日

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全国の令和6年産米の販売数量が前年比12.3万トン減、在庫は148万トンに増加(令和7年5月末)

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令和6年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移及び米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向について(令和7年5月末現在)(農水省)

農林水産省は、令和6年産米に関する最新の契約・販売状況、民間在庫の動向、および米穀販売事業者における販売数量と価格の推移について、令和7年5月末時点の情報をまとめて公表しました。今回の報告は、平成30年産以降の米政策の見直しにより、生産者や集荷業者が主体的な経営判断を行えるように整備された仕組みの一環として、需給や価格、在庫状況をきめ細かく把握・公表する目的で行われています。米の流通と供給の安定を図るうえで、こうした情報の透明性は極めて重要です。

調査によると、令和7年5月末時点での全国の出荷業者による集荷数量は241万7千トンで、これは前年同月と比べて13万5千トン減少した結果となりました。また、契約数量は239万8千トンで、前年と比べて4万5千トン減、販売数量は159万4千トンで、前年より3万4千トン少ない水準となっています。これらの数字には政府備蓄米として売り渡された数量が含まれており、政府米を除いた実質的な集荷数量は227万7千トン、販売数量は150万5千トンとなり、対前年ではそれぞれ27万5千トンと12万3千トンの減少という形になります。これにより、米の流通において需要と供給のバランスがやや供給過剰から調整に向かっていることが読み取れます。

さらに、全国の民間在庫の推移についても分析が示されています。令和7年5月末時点での在庫総量は148万トンであり、前年の同時期に比べて3万トンの増加が確認されました。この内訳を見ると、出荷段階の在庫は109万トンで3万トンの減少、販売段階の在庫は39万トンで6万トンの増加となっています。このような動向は、出荷の一部が滞っていることや、流通段階での販売がやや鈍化している可能性を示唆しています。また、この在庫量には政府備蓄米の19万7千トンが含まれており、これを除いた純粋な民間在庫は128万トン、前年と比較して17万トン減少していることが分かりました。つまり、実態としては在庫がやや減少傾向にあることから、今後の需給調整によって市場の安定が見込まれます。

一方、米穀販売事業者における販売状況と価格の動向についても詳細が報告されました。販売数量については前年同月比で91.6%と減少し、小売向けでは92.7%、中食・外食産業向けでは90.0%という結果になっています。販売数量が落ち込む一方で、販売価格は上昇傾向を示しており、小売事業者向けでは前年同月比で185.3%、中食・外食事業者向けでも173.9%という大幅な上昇が確認されています。この価格上昇の背景には、生産コストの上昇や物流費の高騰、さらには収穫量の調整による供給量の減少といった複合的な要因があるとみられます。価格は上がっても消費者の購入量が減る可能性もあり、小売業界や外食産業にとっては今後の仕入戦略を見直す必要がある状況となっています。

このような調査データは、米の生産・流通・販売に関わる事業者が将来の需給計画を立てるうえで極めて参考になります。特に企業の経営判断やマーケティング戦略を考える際に、契約数量や在庫推移、価格の変動といった具体的な数値に基づいた情報は重要な指標となります。また、農林水産省がこのように定期的にデータを公表することで、市場の透明性が保たれ、信頼性の高い取引環境の構築にもつながります。

令和6年産米については、前年に比べて集荷・契約・販売ともに減少傾向が続いており、その一方で価格の上昇という特徴的な動きが見られます。今後の需給バランスや価格変動を見極めるには、こうした統計の継続的なモニタリングが不可欠です。民間在庫の動向や事業者の販売戦略にも変化が見られるなか、安定した米供給体制を維持するための取り組みが、今後ますます重要になっていくと考えられます。

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

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