2025年7月11日
労務・人事ニュース
全国で2,263万人が地域と継続的に関わる関係人口、企業の地方人材戦略にも影響
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介護職員/実務者研修/有料老人ホーム/デイサービス/日勤のみ
最終更新: 2025年7月11日 03:00
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最終更新: 2025年7月11日 02:03
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介護職員/初任者研修/日勤のみ
最終更新: 2025年7月11日 03:00
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介護職員/介護福祉士/デイサービス/日勤のみ
最終更新: 2025年7月11日 03:00
全国の「関係人口」は18歳以上の2割強! ~「地域との関わりについてのアンケート」調査結果の公表~(国交省)
令和7年6月27日、国土交通省は「地域との関わりについてのアンケート」調査結果を公表し、全国の18歳以上の居住者のおよそ2割強にあたる約2,263万人が「関係人口」として特定の地域と継続的かつ多様な形で関わっていることが明らかになりました。この「関係人口」とは、観光や帰省にとどまらず、日常生活圏外の地域と意識的に交流・貢献しようとする人々を指し、近年では地域活性化政策や地方創生のキーパーソンとして注目を集めています。
調査によれば、関係人口のうち約1,884万人が地域への訪問を伴う「訪問系」に分類され、残りの約379万人は訪問を伴わない「非訪問系」として定義されています。訪問系関係人口において最も多い関与の形は「趣味・消費型」で、観光やイベント参加、地元産品の購入などを通じた関わりが中心です。次いで「参加・交流型」や「直接寄与型」といった、地域の行事やボランティア、仕事などを通じた積極的な関与が挙げられています。
さらに注目すべきは、これら関係人口の動きが主に「三大都市圏以外の地域」への流動であるという点です。特に、「その他地域からその他地域」への流動は約763万人にのぼり、首都圏都市部からその他地域へ向かう約293万人と比較しても、その規模の大きさが際立ちます。都市部に偏らない流動性の高さは、地域資源や文化に魅力を感じ、積極的に地方と関わりを持とうとする人々の存在を浮き彫りにしています。
また、訪問系関係人口の年間訪問日数に関するデータでは、「2~7日/年」が最も多く全体の49%を占めており、「1日以下/年」が約20%、「8日以上/年」が31%という結果でした。特に「就労型(現地就労)」や「テレワーク型」の関係人口においては、「8日以上/年」の訪問日数が約半数を占めており、働き方の多様化が地域との深いつながりを生み出している様子がうかがえます。
一方で、地域との関わりを持ちたいと考える人々が実際に行動へ移すためには、いくつかの課題が存在しています。アンケート結果によると、関わりを持つために必要な改善点として「時間的な余裕の確保」が27.4%で最も多く、次いで「移動や滞在に伴う金銭的負担の軽減」(26.7%)、「交通の利便性の向上」(26.4%)が続いています。この結果は、関係人口のさらなる拡大に向けて、柔軟な働き方や交通インフラの整備、地方での短期滞在制度の充実など、多角的な支援策が必要であることを示しています。
交通手段についての調査結果では、「自家用車」が最も多く、58%を占めました。しかし、鉄道や飛行機、高速バス、フェリーなどの公共交通機関を合算すれば、自家用車を上回る結果となっており、地域間の移動における多様な交通手段の重要性も明らかになっています。
このようなデータが意味するところは、企業の採用担当者にとっても非常に重要です。関係人口の拡大は、都市部での働き方やライフスタイルが変化しつつあることを反映しており、地方勤務やテレワーク、地域活動との両立が可能な雇用形態を整備することが、優秀な人材確保に直結する時代になっているという事実を示しています。地域とつながる働き方を望む人材が増えている今、企業側がそのニーズに応える柔軟な制度や研修プログラムを用意できるかどうかが、今後の人材戦略に大きな影響を与えることになるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ