2025年7月11日
労務・人事ニュース
全国750万事業所データを可視化!RESAS新機能
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訪問看護業務/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年7月11日 07:04
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介護職員福岡県/西鉄甘木線/甘木駅から徒歩7,8分/朝倉市
最終更新: 2025年7月10日 17:43
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常勤・介護・福祉業界の看護師/即日勤務可/シフト
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注目の在宅医療未経験者も歓迎しております/車通勤可/残業なし/即日勤務可
最終更新: 2025年7月11日 07:04
国内最大級のオープンデータプラットフォームである地域経済分析システム(RESAS)をアップデートしました(総務省)
2025年6月27日、経済産業省は地域経済分析システム、通称RESAS(リーサス)の機能を大幅にアップデートしたと発表した。このシステムは2015年から提供されており、内閣官房と経済産業省が連携して開発・運用を行っている。主に地方自治体、地域金融機関、中小企業、研究者、学生など、多様な立場のユーザーが地域経済の実態を把握し、課題解決や戦略立案に活用できるよう設計されている。今回のアップデートでは、ユーザーの使いやすさを重視しながら、より精緻なデータ分析と視覚的表現が可能となる新機能が複数追加された。
特に注目すべきは、「将来人口メッシュ分析」の高度化だ。これまでの機能では地域別の将来人口の推計が中心だったが、新たに人口の属性情報として性別や年代の分類が加わったことで、より多角的な人口動態の分析が可能となった。加えて、全国約750万の事業所立地データと将来人口のメッシュ情報を重ねて地図上で表示できるようになり、例えば30代男女の人口が今後増加するエリアとファミリーレストランの出店状況を同時に視覚化するといった具体的な活用が可能となった。この機能は、新規出店戦略や地域資源の最適配置など、企業や自治体の意思決定にとって極めて実用的なツールとなることが期待されている。
操作性の面でも改善が図られている。スマートフォンでの閲覧時において、地図の拡大・縮小や移動を行った際に、いちいち検索条件を再設定せずとも地図の更新が自動で反映されるようになった。従来は操作ステップが多く、画面遷移が煩雑であったため、ユーザーからは利便性の向上を求める声が多く寄せられていた。今回の改良によって、特に現場での即時的な分析や出先での資料確認など、モバイル環境での活用の幅が大きく広がることとなった。また、地図の視認性を高めるため、表示されるメッシュの透過率を選択できる機能も新たに導入されており、資料作成やプレゼンテーションにおいても視覚的な明瞭さが向上している。
さらに、RESAS内の各種メニューに搭載されているデータの最新版への更新も実施された。生活用品の消費傾向や生産地・消費地の関係性を示す「マーケティングマップ」では、生活用品消費分析、生産・消費地分析のデータが更新された。また、「観光マップ」では宿泊者の動向や国内観光消費、インバウンド消費の分析データが最新版に差し替えられている。高齢化が進む地域にとっては「医療・介護マップ」の介護需給分析データの更新も重要な意味を持ち、今後の福祉政策立案に向けた基盤情報としての価値が一段と高まった。
RESASの魅力は、こうした膨大な官民のビッグデータをID登録などの煩雑な手続きなく、すべて無料で利用できる点にもある。経済動向、人口変化、観光業の流れ、介護ニーズなどを一つのシステム上で統合的に把握できる仕組みは、国内でも他に例がなく、まさにオープンデータの利活用における先進モデルといえる。特に今回のアップデートで強化された分析精度とユーザビリティの向上は、データに不慣れなユーザーでも直感的に使える環境を整えたという点で意義が大きい。
このような取り組みは、地域経済の実態把握だけでなく、地域間の競争力強化や持続可能な成長戦略の立案にも直結する。例えば、若年層の定住可能性が高いエリアにターゲットを絞った住宅政策や、人口減少が進む地域での企業誘致において、定量的な裏付けをもって政策判断を下すことが可能になる。さらに、観光地におけるインバウンド需要の分析や高齢化率の高い地域における医療施設の配置検討など、業種を問わず多様な場面で活用できる情報基盤としての役割が一層強まっている。
経済産業省では今後も利用者からのフィードバックをもとに、掲載データの充実や機能の追加、操作性の改善に継続的に取り組む方針を明らかにしている。企業の採用活動や立地戦略、自治体のまちづくり施策において、RESASが果たす役割は今後ますます重要性を増していくと考えられる。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ