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2025年7月10日

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障害者の就職件数が115,609件に到達、過去最高を更新した令和6年度の雇用状況

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令和6年度 ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況などを公表します(厚労省)

令和7年6月25日、厚生労働省より令和6年度のハローワークを通じた障害者の職業紹介状況が発表されました。今回の統計は、障害者の就職支援に取り組む企業や自治体にとって、今後の雇用政策を検討するうえで重要な示唆を与える内容となっています。

発表によると、新規の求職申込件数は前年度比7.5%増の268,107件となり、2年連続で過去最高を更新しました。就職件数も同様に前年度を上回り、4.4%増の115,609件と、これも過去最高を記録しました。これは障害者雇用の社会的機運の高まりと、企業による積極的な採用姿勢が背景にあると見られています。一方で就職率は43.1%と、前年度より1.3ポイント低下しました。この数値は、新規求職者数の増加に伴い、相対的に就職率が下がったことを示しており、雇用機会の量と質のバランスが問われている状況です。

障害種別に見ると、精神障害者の就職件数は65,518件で前年から8.1%増加し、全体の56.7%を占めています。知的障害者は22,449件で1.1%の増加、身体障害者は22,704件で0.9%の減少、その他の障害者は4,938件で2.1%の減少でした。就職率では、知的障害者が55.6%と最も高い水準にある一方で、昨年より3.6ポイント減少しており、就職の維持や定着の課題が浮き彫りとなっています。

解雇者数に関しては、ハローワークに届け出のあった障害者の解雇件数が9,312人にのぼり、過去最高だった平成13年度の4,017人を大幅に上回る結果となりました。この急増の背景には、障害者雇用の拡大に伴う業務現場でのミスマッチや、企業内の受け入れ体制の未整備などが関係していると推察されます。

産業別では、最も多くの就職者を受け入れたのが「医療・福祉」分野で、全体の39.5%にあたる45,668件を記録しました。次いで「サービス業(分類外)」が12,134件、「製造業」が13,417件、「卸売・小売業」が11,587件と続きます。とくに医療・福祉分野では、身体障害者・知的障害者・精神障害者のいずれも就職件数が最も多く、この業界の受け入れ体制の充実ぶりがうかがえます。

また、障害者専用求人数も令和6年度は268,110人と、前年から1.9%増加しています。これは企業側の障害者雇用に対する関心と責任意識が高まりつつあることを示しており、法定雇用率の引き上げなど制度的な後押しも影響しています。

一方で、障害者の就職率が前年を下回るなどの課題も見られ、今後は就労支援の質の向上、職場定着支援、継続雇用を実現するための体制整備が求められます。厚生労働省では、今後も求職者と企業の双方に対する支援を強化し、障害者の安定的な雇用促進に向けた取り組みを推進する方針です。

これらのデータは、障害者雇用の現場で何が起きているのかを具体的に把握するうえで極めて重要であり、企業の人事担当者や採用担当者にとっても、実務的な戦略立案や雇用環境整備の参考となるはずです。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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