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2025年7月14日

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令和7年5月の岡山県有効求人倍率1.48倍

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雇用情勢(岡山労働局管内)令和7年5月分(岡山労働局)

令和7年5月に岡山労働局より発表された最新の職業紹介状況によると、岡山県の有効求人倍率は1.48倍(季節調整値)となり、前月から0.01ポイントの低下となりました。これは6か月ぶりの低下であり、雇用市場がやや調整局面に入ってきたことを示しています。採用活動に携わる企業の担当者にとって、この微細な変化は見過ごすことのできない重要なサインであり、今後の採用戦略に大きく影響を及ぼす可能性があります。

同時に公表された新規求人倍率は2.37倍で、前月比で0.21ポイントの低下となりました。これは4か月連続の低下であり、新たな求人を出してもその充足が難しくなってきていることを意味しています。つまり、企業が新規に人材を採用しようとしても、思うように応募が集まらないという課題が強まっているのです。こうした背景を踏まえ、採用担当者は単に求人を出すだけでなく、応募者にとって魅力ある情報発信ができているかを改めて見直す必要があります。

原数値で見ると、有効求人数は43,002人で前年同月比2.7%の増加となっており、2か月連続での増加となっています。一方、有効求職者数は32,010人で前年同月比0.2%の増加、こちらも2か月連続の増加となりました。求人数が求職者数を依然として大きく上回っていることから、労働市場としては「売り手市場」の状態が継続しているものの、その差が縮まりつつある傾向もうかがえます。つまり、採用の難しさは続きながらも、求職者側の動きがやや活発化しているとも捉えられます。

新規求人に目を向けると、令和7年5月の新規求人数は14,768人で、前年同月比で1.5%の増加となりました。産業別に見ると、建設業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業では求人が増加しており、特に建設業は積極的な人材確保が見受けられます。一方、製造業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などでは減少傾向が見られました。こうした動きは、業界ごとの人材需要の変化を反映しており、採用担当者が自社の属する業界の動向を正確に把握することが不可欠であることを示しています。

求職者側の動向としては、新規求職者数が6,412人で前年同月比7.7%の減少となり、7か月連続で減少しています。これは、求職活動を始める人が減っていることを示しており、企業側が新たな人材と出会う機会が減少していることにもつながります。こうした環境下では、採用の質とスピードが求められるだけでなく、自社の魅力を積極的に発信し、「応募される企業」になるための取り組みが必要となってきます。

実際の就職件数は1,865件で前年同月比2.3%の減少となっており、実際に採用に結びついている事例が減少していることも見逃せません。これは求人と求職の数が揃っていても、ミスマッチが生じている可能性を示唆しています。したがって、採用活動においては単に多くの応募を集めることだけでなく、いかにして自社のニーズに合った人材と出会うか、またその人材が働きやすい環境を整えていくかが重要となります。

正社員に限った有効求人倍率は1.23倍で、前年同月比で0.01ポイントの上昇となりました。これは安定的な雇用形態での人材確保に対する需要が引き続き高まっていることを意味します。企業にとって、長期的な戦力となる人材を確保するためには、給与や待遇だけでなく、キャリア形成支援や職場環境の整備といった「育てる」視点が求められます。特に若年層においては、入社後の成長機会や自己実現が大きな動機づけとなるため、これらを明確に打ち出すことで応募率の向上が期待できます。

また、雇用保険の加入者数が前年同月比で0.4%減少しており、10か月連続の減少となっている点にも留意が必要です。これは働く人の数が緩やかに減っている可能性を示しており、少子高齢化が進む中での人材確保がますます厳しさを増していることの表れともいえます。企業は、既存社員のスキルアップや業務効率化を図る一方で、多様な人材の受け入れにも柔軟に対応していく必要があります。

近年、ハローワークインターネットサービスの機能拡充により、来所せずに求職登録が可能になり、求職者の行動様式にも変化が生じています。こうしたオンライン経由の求職者に対して、どのようなアプローチをするかが、これからの採用戦略の分かれ目となります。求人票の見せ方や、スマートフォンに最適化されたコンテンツ、写真や動画による職場紹介など、デジタルマーケティングの視点が求められる場面が今後ますます増えていくと予測されます。

このように、岡山県の有効求人倍率1.48倍という数字は、表面上は引き続き「売り手市場」であることを示していますが、その実態はミスマッチや求職者の減少といった構造的な課題を内包しています。企業の採用担当者は、このような現状を正しく読み取り、短期的な人材確保だけでなく、中長期的な採用力の強化を図るための戦略的な取り組みが求められます。

⇒ 詳しくは岡山労働局のWEBサイトへ

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