2024年12月8日
労務・人事ニュース
COP29で明らかになった気候変動対策の新たな方向性と農林水産分野における国際的な取り組みの進展
「国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)」等の結果(農林水産関係)について(農水省)
2024年11月28日、農林水産省はアゼルバイジャンのバクーで11月11日から24日にかけて開催された「国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)」および関連会合の結果について発表しました。農林水産分野に関連する議論や活動を中心に、日本がこの場で果たした役割や発信内容を以下にまとめます。
COP29では、気候資金に関する新たな合同数値目標をはじめとする重要な決定が採択されました。日本は、国内での「みどりの食料システム戦略」や「日ASEANみどり協力プラン」といった取り組みを広く紹介するとともに、農業分野での二国間クレジット制度(JCM)の活用や持続可能な森林経営、木材利用の促進に向けた施策を国際的に発信しました。
特に注目されたのは11月19日に実施された「食料・農業・水デー」における農林水産省主催セミナーです。このセミナーでは、渡邉農林水産審議官がビデオメッセージで開会の挨拶を行い、「みどりの食料システム戦略」に基づく国内の取り組みを説明しました。参加者には、カンボジア農林水産省の副長官やタイ、米国政府関係者、国際機関、民間企業など多様な関係者が含まれ、気候変動緩和技術の普及について意見交換が行われました。また、11月15日には、林野庁が森林総合研究所と合同で「自然に基づく解決策(NbS)のための持続可能な森林管理」セミナーを開催し、日本の治山技術を活用した気候変動適応策を紹介しました。
さらに、議長国アゼルバイジャンの主導で新たに立ち上げられた「農業者のためのバクー・ハーモニア気候イニシアチブ」では、食料・農業・農村基本法の改正を踏まえた日本の環境負荷低減技術の推進や国際イニシアチブとの連携に関する取り組みが紹介されました。これに加えて、米国とUAEが主導する「AIM for Climate」閣僚級会合にも日本が参加し、窪田国際食料情報特別分析官が日本の立場や取り組みを発表しました。
また、11月21日にはアゼルバイジャンと国連森林フォーラムが共催したハイレベルイベントで、日本は持続可能な森林経営と木材利用の取り組みを通じた気候変動対策の実現を訴え、循環経済の重要性を発信しました。
今回の会合を通じて、日本は農林水産分野における国内外での環境負荷削減や持続可能性の向上に向けた具体的な行動を示すとともに、国際社会と協調して気候変動対策を進める意思を強調しました。気候変動への対応がますます重要となる中で、これらの取り組みがさらなる進展をもたらすことが期待されます。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ