2025年1月22日
労務・人事ニュース
EVトラックとバスに新識別表示義務化、令和8年9月から適用開始
消防・救助活動を円滑にするEVトラック・バスへの識別表示を行います! 道路運送車両の保安基準等の一部改正について(国交省)
令和7年1月10日、物流・自動車局の車両基準・国際課および審査・リコール課より、電気自動車(EV)トラックおよびバスの安全性向上を目的とした新たな識別表示の導入が発表されました。この改正は、道路運送車両の保安基準等の一部改正に基づいて行われるもので、EVトラック・バスを迅速に識別できるようにするための措置です。また、二輪自動車を含む他の車両に対してもサイバーセキュリティ基準が導入されることが明らかにされました。
今回の改正では、バスおよび車両総重量3.5トン超のトラックのうち、高電圧で作動する原動機を備えた車両に、新たな識別ラベルの表示が義務付けられます。具体的には、これらの車両の前部および左右側面(バスの場合は後部も含む)にラベルを貼り付ける必要があります。このラベルの仕様として、幅110ミリメートル以上、高さ80ミリメートル以上であり、配置および記号はISO 17840-4:2018の規格に準拠することが求められています。この改正は、令和8年9月1日より新型車に適用され、継続生産車については令和9年9月1日から段階的に適用される予定です。
この背景には、2050年カーボンニュートラル目標に向けたEVトラック・バスの普及が挙げられます。ディーゼル車とは異なり、EV車両は事故が発生した際に特別な消防および救助活動が必要となるため、迅速かつ適切な対応が可能となるよう、外観から一目でEVであることが分かる識別表示が導入されます。
さらに、近年の技術進展により、二輪自動車や三輪自動車、側車付二輪自動車においても電子制御を用いた先進安全装置の普及が進んでいます。しかし、不正アクセスを受けるリスクが高まっていることから、これらの車両に対してもサイバーセキュリティ基準が導入されます。この基準の適用時期は、新型車が令和11年7月1日、継続生産車が令和13年7月1日からとなっています。
今回の改正は、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において国連基準として成立したことを受けて実施されるものであり、日本国内での適用基準の国際調和を目指しています。これにより、EVトラックやバスの普及に伴う安全性向上が期待されるだけでなく、二輪車両などにおけるセキュリティ面のリスク軽減にも貢献すると考えられます。
これらの新たな基準の施行により、EV車両の安全管理がより一層進むことが期待されています。また、サイバーセキュリティ対策の義務化により、電子制御技術が進化する中での車両安全性が確保されることで、自動車業界全体の信頼性向上にもつながるとされています。
関係者からの問い合わせ先として、物流・自動車局の車両基準・国際課および審査・リコール課の連絡先も公表されています。この改正に興味のある企業や自治体、研究機関の担当者は、詳細な情報を直接確認することが可能です。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ