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2024年6月7日

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IMO第108回海上安全委員会で新たな海上安全規則採択!2026年施行予定のRORO旅客船火災対策

国際海事機関(IMO)第108回海上安全委員会(MSC 108)の開催結果概要 ~条約等の改正案の採択、自動運航船の国際ルールの検討、海洋安全保障に関する決議の採択~(国交省)

令和6年5月24日、国際海事機関(IMO)第108回海上安全委員会(MSC 108)が開催されました。この会合は、2024年5月15日から24日にかけて行われ、多くの重要な議題が取り上げられました。主な成果として、RORO旅客船の火災安全対策に関する条約や漁船員の訓練及び資格証明に関する条約の改正案、さらに液化水素運搬船の安全要件の改正案が採択されました。また、自動運航船(MASS)の国際ルールについての検討や紅海及びアデン湾における海洋安全保障に関する決議も行われました。

まず、RORO旅客船の火災安全対策に関する海上人命安全条約(SOLAS)条約附属書の改正案が採択されました。この改正案は、火災検知や警報表示方法、検知器の配置などの要件を強化するもので、新造船には2026年1月1日より、既存船には2028年1月1日より適用される予定です。日本もこの規則策定に貢献してきました。

次に、漁船員の訓練及び資格証明に関する改正案が採択されました。この改正案は、船長や航海士、機関長や機関士の資格要件を強化するもので、漁船の大きさを示す指標として、長さからトン数への読み替え規定の導入なども含まれています。これにより、漁船の安全な運航を確保することを目的としています。これらの改正案は2026年1月1日から発効予定です。

さらに、大型液化水素運搬船の安全要件に関する改正案も採択されました。これは、水素ガス断熱タンクを備えた大型液化水素運搬船の安全要件を強化するもので、日本が主導して採択されました。また、アンモニアなどの毒性貨物を燃料として使用可能とするルール改正も承認され、早期発効が認められました。

自動運航船(MASS)の国際ルールについても議論が行われました。これまでの会合で検討された内容を踏まえ、日本が起草作業を主導した航行の安全に関する要件など、具体的な議論が進められました。今後、非義務的MASSコードを2025年に最終化するため、さらに検討が行われる予定です。

最後に、紅海及びアデン湾における海洋安全保障に関する決議が採択されました。この決議では、紅海及びアデン湾での安全保障上の危機に対し、ホーシー派による船舶への攻撃を強く非難し、攻撃を停止させるよう関係国に影響力を行使することを求めています。日本を含む多くの国がこの決議を支持しました。

これらの取り組みは、海上の安全性向上や国際的な協力の強化に寄与するものです。関係者の皆様には、引き続きこれらの新しい規則や決議に注目し、適切な対応を行っていただきたいと思います。海洋の安全を確保するために、今後も国際的な協力が重要となります。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ