労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • NPEを第二種特定化学物質に指定、化審法施行令の改正が閣議決定

2024年10月2日

労務・人事ニュース

NPEを第二種特定化学物質に指定、化審法施行令の改正が閣議決定

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令の閣議決定について(環境省)

2024年9月24日、政府は「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定しました。今回の改正は、ポリ(オキシエチレン)=アルキルフェニルエーテル、通称NPE(アルキル基の炭素数が9のものに限る)を「第二種特定化学物質」に指定するものです。この指定により、NPEを含む化学物質の取り扱いにおいて、製造や輸入時の届け出や技術的な指針の遵守、さらには表示義務が生じることになります。

NPEは、長期的な毒性を持つ可能性がある化学物質であり、広範な環境に残留することで人の健康や生活環境に影響を与えるおそれがある物質です。このため、現時点で23物質が同様に指定されており、今回の改正でNPEもその一つに加わることになりました。

この政令改正の背景には、2023年9月に開催された厚生労働省、経済産業省、環境省の合同審議会があります。この会議において、NPEを第二種特定化学物質に指定すること、さらにNPEを使用している水系洗浄剤に対して技術指針の遵守と表示義務を課すことが適当であるという結論が得られました。

NPEは特に工業用途で使用される水系洗浄剤に含まれることが多く、その影響が環境中に残りやすい性質があります。こうした性質を持つ化学物質が環境や人体に及ぼすリスクを軽減するためには、使用の制限や安全な取り扱いの指導が不可欠です。そのため、本政令ではNPEを使用した製品に対し、技術的なガイドラインの遵守と明確な表示義務を導入することが決定されました。

今回の改正における具体的な内容は、主に次の3点に集約されます。第一に、NPEを第二種特定化学物質に指定することです。これにより、NPEを取り扱う企業は、製造や輸入の際に事前に届け出を行い、環境への影響に関する規制に従う必要があります。第二に、NPEを含む水系洗浄剤に対しては、製品に技術指針を遵守する義務が課されるだけでなく、消費者に対して適切な情報が提供されるよう、製品表示の義務が追加されます。第三に、これらの規制に対応するための経過措置が設けられ、企業が適切に準備を進めるための猶予期間が設定されます。

この政令の施行スケジュールは、2024年9月27日に公布され、2025年4月1日から正式に施行される予定です。施行後は、NPEを含む化学物質やその製品に対する取り扱いがより厳しく管理されることとなり、環境保護や公衆衛生の向上に寄与することが期待されています。

環境保護の観点から、このような化学物質の規制は重要です。化学物質の長期的な影響は、一見目に見えない形で進行し、後々に深刻な被害をもたらす可能性があるため、早期の対応が求められます。今回のNPE指定はその一環として、多くの分野にわたる利害関係者に影響を与えるでしょう。

化学物質に関連する規制は複雑であり、企業側には法的な遵守を求められるだけでなく、技術的な対応が必要となります。特に今回のように、製品に対する技術指針の遵守や表示義務が追加されることで、消費者の信頼を確保するための透明性が重視されています。消費者にとっては、使用される化学物質がどのような影響を持つのかを知ることが重要であり、製品表示の強化はこうした消費者の権利を守るための措置とも言えます。

今後、企業は新しい規制に対応するための準備を進め、環境や公衆衛生の保護に貢献する責任を果たしていくことが期待されます。また、政府や関係機関は、この改正に基づく監視体制の強化を図り、適切な運用を進めることが求められます。消費者や企業、行政が一体となって取り組むことで、化学物質がもたらすリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ