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2024年9月15日

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NTT東西の加入者回線シェア、70.9%から69.9%へ低下-令和5年度末の全国設置状況を総務省が公表

令和5年度末における固定端末系伝送路設備の設置状況 ―加入者回線の設置数に占めるNTT東日本・NTT西日本のシェア―(総務省)

令和6年8月28日、総務省は、令和5年度末(令和6年3月末)時点における固定端末系伝送路設備の設置状況に関する最新の報告を公表しました。この報告は、電気通信事業法に基づき、毎年度実施されるもので、電気通信事業者からの詳細なデータを基に集計されます。今回は、特にNTT東日本およびNTT西日本が提供する加入者回線や光ファイバ回線のシェアについての分析が行われました。

まず、固定端末系伝送路設備とは、電話線や光ファイバなど、特定の場所に設置された利用者の電気通信設備に接続される伝送路設備のことを指します。これには、一般家庭や企業のインターネット接続に欠かせない回線が含まれ、通信インフラの中核を担っています。今回の報告では、このようなインフラの全国的な設置状況が細かく分析されており、その結果は、我が国の通信インフラの現状と、今後の発展方向を見極める上で極めて重要なデータとされています。

具体的に、令和5年度末におけるNTT東日本およびNTT西日本が保有する加入者回線のシェアについて見ると、全国的にシェアの低下が確認されました。特に、従来から利用されているメタル回線(二線式)の設置数が減少したことが、シェア低下の主な要因として挙げられています。令和4年度末時点でのNTT東日本・西日本の加入者回線に占めるシェアは70.9%であったものが、令和5年度末には69.9%まで減少しました。これは、1.1ポイントの低下を意味し、国内における通信インフラの多様化が進行していることを示唆しています。

NTT東日本とNTT西日本を個別に見た場合でも、両社ともにシェアが低下していることが確認されました。NTT東日本のシェアは令和4年度末の76.9%から76.2%へと0.7ポイント減少し、NTT西日本は64.8%から63.4%へと1.4ポイント減少しました。このようなシェア低下の背景には、新規参入事業者の台頭や、既存事業者による新技術導入が影響している可能性が考えられます。

都道府県別に見ると、NTT東日本・西日本のシェアが50%を超えている地域が大多数であるものの、一部の地域ではシェアが50%台に留まっていることがわかりました。例えば、奈良県(50.8%)、三重県(51.4%)、兵庫県(52.1%)、滋賀県(54.5%)、大阪府(54.6%)、愛知県(55.4%)、岐阜県(58.7%)の1府6県では、NTT東日本・西日本の加入者回線シェアが50%台にとどまっています。これは、これらの地域で他事業者のシェアが増加していることを示しており、地域によっては競争が激化していることがうかがえます。

さらに、光ファイバ回線に関しても、NTT東日本およびNTT西日本のシェアは減少傾向にあります。光ファイバ回線は、インターネット接続の高速化に不可欠な技術であり、特に近年、電力系事業者や地域系CATV事業者が積極的に参入している分野です。令和4年度末時点でのNTT東日本・西日本の光ファイバ回線シェアは73.7%であったのに対し、令和5年度末には72.9%に低下しました。具体的には、NTT東日本が0.4ポイント減少して88.6%、NTT西日本が1.0ポイント減少して58.9%となっています。この減少は、特に地方において顕著であり、NTT東日本・西日本が50%未満のシェアを持つ都道府県が複数存在します。例えば、三重県(36.5%)、奈良県(38.5%)、滋賀県(42.9%)、愛知県(43.8%)、徳島県(45.0%)、岐阜県(46.4%)、兵庫県(48.6%)、大分県(49.8%)などの8県が該当します。

このような状況は、通信インフラの競争が一層激化し、地域によっては新たな事業者が市場に浸透していることを示しています。通信技術の進化とともに、利用者のニーズも多様化しており、それに応じたインフラ整備が求められる中で、従来の大手事業者のみならず、新規参入者の役割がますます重要となっています。

総務省は、このようなデータを基に、今後も通信インフラの適正な競争環境の維持と、全国的なサービスの均一化を図るための施策を推進していく方針です。特に、地方における光ファイバの普及や、新規事業者の参入促進を通じて、より多くの地域で高品質な通信サービスが提供されるよう取り組むことが求められます。また、既存の事業者も、新しい技術やサービスの導入を進めることで、競争力を維持しつつ、利用者の多様なニーズに応えていく必要があります。今後の動向に注目が集まる中、通信インフラのさらなる進化が期待されています。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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