2025年2月26日
労務・人事ニュース
TSUNAG認定がGRESBと連携、ESG評価向上で企業価値を最大化する新戦略とは?
緑の認定制度「TSUNAG認定」、グローバル基準と連携! ~TSUNAG認定がGRESBとTNFDガイドラインに関連付けられました~(国交省)
都市部における緑地の確保と環境への配慮がますます重視される中、企業の環境貢献度を評価する新たな認定制度が国際基準と連携を強化しました。国土交通省が主導する「TSUNAG認定(優良緑地確保計画認定制度)」が、世界的なESG評価基準であるGRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)およびTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のガイドラインに関連付けられたことが発表されました。これにより、企業が緑地整備に取り組むことで、国際的なESG評価を高める機会が大きく広がることになります。
TSUNAG認定は、都市緑地法に基づき、企業や団体が良質な緑地を確保する取り組みを国土交通大臣が評価・認定する制度です。評価基準には、気候変動対策、生物多様性の保全、ウェルビーイングの向上といった視点が含まれており、単に緑の面積を増やすだけでなく、その「質」にも重点を置いています。今回の国際基準との連携によって、企業は環境配慮型の都市開発を推進する中で、国内外の投資家や顧客に対してより高い評価を得ることができるようになります。
GRESBとの連携により、TSUNAG認定を取得した物件は「グリーンビル認証」として評価されることが可能になりました。GRESBは、不動産企業のESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを総合的に評価する国際基準であり、特に環境面での貢献度を重視しています。そのため、TSUNAG認定を取得した不動産企業は、GRESBスコアの向上が期待され、国内外のESG投資家からの評価が高まる可能性があります。不動産業界では近年、GRESBスコアの向上が資金調達や投資誘致において重要な指標となっており、今回の連携は企業にとって大きなメリットをもたらすものといえるでしょう。
一方、TNFDのガイドラインとの関連付けにより、TSUNAG認定は企業の自然関連財務情報の開示にも寄与します。TNFDは、企業が生物多様性や自然資本に与える影響を財務情報として開示するためのフレームワークを提供しており、特に金融機関や機関投資家が重視する指標となっています。これにより、TSUNAG認定を取得した企業は、サステナビリティに関する情報開示を強化し、グローバル市場における透明性を高めることができます。
今後の予定として、2024年度のTSUNAG認定は2025年3月18日に認定・公表され、4月25日に認定式が実施される予定です。さらに、2025年度の認定申請は、2025年4月1日から同月30日までの期間で受け付けられます。企業がこの認定を取得することで、環境への取り組みが評価されるだけでなく、ESG投資を促進する要素としても機能し、持続可能な都市開発に貢献することが期待されます。
近年、企業の環境配慮への関心は急速に高まっており、TSUNAG認定のような制度が果たす役割は非常に大きくなっています。企業にとっては、認定を取得することで環境貢献度を示し、社会的責任を果たすだけでなく、国際的な評価基準に準拠することが可能になります。これにより、投資家や消費者からの信頼を得るとともに、企業ブランドの価値向上にもつながるでしょう。
今後、TSUNAG認定がより多くの企業に活用され、都市部の緑地確保が推進されることが期待されます。企業の採用担当者にとっても、環境意識の高い企業であることは優秀な人材の獲得にもつながる要素となります。特に、サステナビリティを重視する若年層の求職者にとって、環境保護に積極的な企業は魅力的な就職先となる可能性があります。
また、ESGに関心のある企業は、TSUNAG認定の取得を通じて、グローバル市場における競争力を強化することができます。環境問題が企業経営の重要なテーマとなる中で、緑地の確保や環境配慮型の開発に積極的に取り組むことは、単なるCSR(企業の社会的責任)活動を超え、企業価値を向上させる戦略的な投資となるでしょう。
今回のGRESBおよびTNFDとの連携は、TSUNAG認定の国際的な認知度を高めるとともに、国内の企業にとってもESG戦略を強化する機会を提供します。企業の皆様には、ぜひこの認定制度を活用し、持続可能な都市環境の形成に貢献していただきたいと考えます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ