2024年11月14日
労務・人事ニュース
島根県内の新規高卒者向け求人倍率4.45倍、地域別に大きな差異
令和7年3月新規高等学校等卒業予定者に対する島根県内の求人受理・就職希望者及び就職内定の状況を公表します(島根労働局)
島根県における令和7年3月新規高等学校等卒業予定者に対する求人受理・就職希望者及び就職内定の状況について、令和6年9月30日時点でのデータが公表されています。この報告は、島根労働局によって取りまとめられ、同県内での求人や就職に関する最新の状況が反映されています。まず、受理された求人数については、3,127人であり、前年同期比で2.4%減少しています。これは、前年の3,204人から減少したものであり、島根県内における雇用情勢の一部に変化が生じていることが示されています。
次に、就職希望者数は1,005人で、このうち702人が県内での就職を希望しています。県内就職希望者の割合は69.9%で、前年の71.2%から1.3ポイント低下しています。この低下は、若年層の労働市場への意識や県外への就職志向の影響を受けた可能性が考えられます。また、求人倍率については3.11倍で、前年同期の3.16倍から0.05ポイント低下しました。一方、県内の求人倍率は4.45倍で、前年の4.44倍からわずかに上昇しています。
さらに、就職内定の状況を見ると、就職内定率は72.4%であり、前年同期の70.2%から上昇しています。内定率が上昇している一方で、県内就職内定率は68.2%で、前年の66.7%から1.5ポイント上昇しました。県内での就職希望者に対する内定の割合も改善されており、地元企業の受け入れ体制が少しずつ強化されていることがうかがえます。
地域別に見ても、松江や出雲など主要都市では求人倍率が3倍以上となっており、特に安来や隠岐の島では求人倍率がそれぞれ5.31倍、1.59倍と異なる結果が出ています。これにより、地域ごとの求人・就職状況にばらつきがあることが明らかになりました。隠岐の島や川本などでは、県内他地域に比べて求人倍率が低いことから、労働力不足の傾向が見られる一方で、他の地域では比較的多くの求人が見込まれています。
このように、島根県における若年層の雇用状況は地域ごとの差異が見られるものの、全体としては求人倍率が高く、内定率も上昇傾向にあることから、一定の安定があると考えられます。しかし、県外就職希望者の割合が増加している点や、全体の求人受理数が減少している点は、県内の雇用政策や労働力確保に向けたさらなる取り組みが必要であることを示唆しています。
さらに、これまでの推移を見てみると、令和3年3月卒業生から令和7年3月卒業生までの間で、県内の求人数や就職希望者数は上下しつつも、全体としては安定している状況が見て取れます。特に令和4年以降、求人倍率は4倍以上で推移しており、若年層の労働市場は依然として活発であることがうかがえます。
今後の課題としては、若者が県内に留まり、地元での就職を希望する割合をどう増やしていくかが挙げられます。県内の就職内定者の割合は依然として高いものの、県外志向が強まっている現状に対応するため、県内企業の魅力をさらに発信し、地域の強みを活かした雇用施策が必要とされています。また、県内就職希望者数の減少も課題の一つです。これには、人口減少や少子化の影響も関与している可能性が高いため、長期的な視野での労働力確保が求められています。
最後に、これらのデータに基づいた労働市場の分析から、島根県内の雇用状況は全体として安定しているものの、地域ごとの差異や県外への流出に対する対策が急務であることが分かります。企業としては、若年層を引き留め、魅力的な雇用条件を提示することが、今後の成功のカギとなるでしょう。
⇒ 詳しくは島根労働局のWEBサイトへ