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2024年9月22日

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建設業の総労働時間169.2時間、所定内労働時間156.3時間—前年比0.8%の上昇を示す

毎月勤労統計調査 令和6年7月分結果速報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)

日本の産業界における労働時間の実態を把握することは、企業が従業員の健康管理や生産性向上を図るために極めて重要です。本稿では、事業所規模が5人以上の企業を対象とした令和6年7月の労働時間に関する速報データをもとに、さまざまな業種における総実労働時間、所定内労働時間、所定外労働時間、出勤日数の動向について考察します。

データを詳しく見ていくと、全産業における総実労働時間は141.5時間であり、前年同月比で0.6%増加しています。これは全体的に労働時間がやや増加傾向にあることを示していますが、業種によってその動向は大きく異なります。たとえば、鉱業、採石業では総実労働時間が166.5時間であり、前年同月比で3.1%減少している一方で、建設業では169.2時間と比較的高い水準を維持しており、前年同月比で0.1%の微増となっています。製造業についても162.1時間と高い水準にあるものの、前年同月比で0.1%の減少が見られました。これらのデータは、各業界の労働環境や経済状況による影響を如実に反映していると言えます。

特に注目すべき点は、所定外労働時間の変動です。鉱業や採石業では所定外労働時間が前年比で36.9%も減少しており、大幅な労働時間の見直しが行われていることがうかがえます。一方、建設業では所定外労働時間が12.9時間であり、前年同月比で7.2%の減少を記録しています。製造業では13.6時間となり、前年同月比で0.7%の微減となっています。このように、全体的には所定外労働時間の減少傾向が見られ、働き方改革の進展が反映されていることが考えられます。

次に、出勤日数についても触れていきます。全産業における平均出勤日数は18.3日であり、前年同月比で0.3日の増加が確認されました。これに対し、鉱業、採石業では21日と最も高い水準を示し、前年同月比で0.2日増加しています。建設業は20.7日で前年同月と変わらず横ばいの状況です。製造業は19.6日で、前年同月比で0.1日の増加が見られました。これらのデータから、特に鉱業や建設業などの業種において、比較的高い出勤日数が維持されていることがわかります。

労働時間のデータは、企業の労務管理や従業員の働き方改革に向けた改善策を検討するための重要な指標となります。特に、所定外労働時間が大幅に減少している業種では、従業員の負担軽減や業務の効率化が進んでいる可能性があります。一方で、総労働時間や出勤日数が高水準にある業種では、従業員の過労や労働環境の見直しが求められる場面も考えられます。

例えば、鉱業や採石業においては、所定外労働時間が大幅に減少している一方で、総労働時間は依然として長く、出勤日数も多いため、依然として業務負担が大きいことが示唆されます。このようなデータは、企業の人事担当者や労務管理者にとって、従業員の労働環境を改善するための貴重な参考資料となります。

また、建設業においても、総実労働時間が169.2時間と比較的長時間にわたり、出勤日数も多いことから、長時間労働が常態化している可能性があります。これに対し、所定外労働時間は減少傾向にあるため、企業は今後、さらに所定内労働時間の効率化を図ることで、従業員の負担軽減を進める必要があるかもしれません。

製造業においては、総実労働時間が162.1時間であり、出勤日数も19.6日と全体の平均よりもやや高い水準にあります。しかし、所定外労働時間の減少傾向が確認されているため、働き方改革が進展していることがうかがえます。このようなデータをもとに、企業はさらなる労働環境の改善策を検討し、従業員の働きやすさを向上させるための施策を講じることが求められます。

これらのデータは、労働時間の管理を通じて、企業の採用活動や人事戦略にも大きな影響を与える可能性があります。特に、労働環境が改善されている企業では、優秀な人材を確保するためのアピールポイントとなり得ます。逆に、長時間労働や出勤日数が多い業界では、今後の人材確保が難しくなる可能性もあるため、労働条件の改善が急務となるでしょう。

労働時間や出勤日数のデータは、企業が抱える課題や今後の改善策を考える上で、非常に重要な役割を果たします。各業界の労働環境を客観的に把握し、他社と比較することで、自社の強みや弱点を明確にすることができます。また、政府や労働組合などの外部機関も、これらのデータを参考に労働政策の見直しや新たな施策を立案する際の重要な基盤として活用することが期待されます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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