2024年9月17日
労務・人事ニュース
新たな法改正で日本産業の持続的発展を支援、2024年9月施行
「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律」の一部が施行されました(経産省)
2024年9月2日、経済産業省は「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律」の一部が施行されたことを発表しました。この改正法の施行により、産業競争力をさらに強化し、国内外の経済環境に迅速かつ柔軟に対応するための新たな制度が導入されます。
改正法の主な目的は、グローバルな競争の中で日本の産業が持続的に発展するための基盤を強化することです。そのために、中堅企業の成長を支援するための施策が拡充され、特に賃金水準が高く国内投資に積極的な企業に対して様々な支援措置が提供されます。具体的には、中堅企業者の定義が新たに設けられ、従業員数が2,000人以下の企業が対象となります。
さらに、企業が再編を行う際に活用できる「特別事業再編計画」の制度も施行されました。この計画が認定されると、税制上の優遇措置や金融支援が受けられるほか、M&Aにおける株式対価の活用など、会社法に関する様々な支援が可能になります。また、スタートアップ企業が柔軟にストックオプションを発行できるよう、経済産業大臣と法務大臣の確認を得た上で「募集新株予約権の機動的な発行に関する制度」が導入されました。
改正法には、共同研究開発による市場創出を支援する「特定新需要開拓事業活動計画」の策定支援制度も含まれています。これにより、企業や大学が標準化と知的財産を活用し、新たな市場の開拓に向けた計画を立案しやすくなることが期待されます。
また、国際競争に対応した「産業競争力基盤強化商品の生産及び販売の促進」制度も施行されました。この制度は、電気自動車やグリーンスチール、持続可能な航空燃料など、特定の戦略分野において国内生産を促進するための税制優遇措置や金融支援を提供するものです。
さらに、投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)も改正され、外国法人の出資制限の見直しや投資対象の拡大が行われました。これにより、投資事業がより多様化し、国内外の企業が積極的に関与できる環境が整備されます。特に暗号資産の取得が投資対象に追加される予定です。
最後に、改正法の施行に伴い、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)の業務も拡充されました。これにより、ディープテック・スタートアップや中小企業者が行う工業所有権の保護や利用に関する支援が強化され、さらなる技術革新が促進されることが期待されます。
今回の法改正により、日本の産業競争力が一層強化され、国際的な経済環境に適応するための制度が整備されました。これにより、国内産業の持続的な発展が期待されます。興味のある企業や関係者は、各種支援制度の詳細を確認し、積極的に活用していくことが求められます。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ