2024年6月22日
労務・人事ニュース
通所系事業所向けBCP訓練 実際の災害に備える必須ガイド
6.机上訓練(通所系)(厚労省)
この動画では、通所系および小規模多機能の事業所を対象に、BCP(事業継続計画)を効果的に活用するための机上訓練について説明しています。BCPの作成が令和3年度の介護報酬改定で義務化され、令和6年度には未策定の事業者に対する基本報酬の減額措置が取られることが決定しました。これにより、各サービスの運営基準として、感染症と自然災害の両方のBCPを作成し、定期的な研修訓練を実施することが義務付けられています。
訓練の必要性は、正常性バイアスという人間の心理に対処するために重要です。正常性バイアスとは、予想外のリスクが発生した場合に状況を過小評価してしまう心理現象です。災害時に正しく認識し行動するためには、災害を擬似的に体験する訓練が必要不可欠です。また、BCPを実際に役立つものにするためには、訓練を通じて改善点を見つけて反映させることが重要です。
BCPの研修と訓練の内容について具体的に説明します。まず、防災意識の啓発、次に自宅の防災、ルールの徹底、そして安否確認の徹底が含まれます。これらは職員の意識を高め、災害時の適切な対応を促すために重要です。
研修については、例えば首都直下地震や南海トラフ巨大地震に関する情報を紹介し、地域の防災意識を高めることが求められます。また、自宅での防災についても、特に寝室での安全確保が重要です。家具の固定や備蓄品の準備などが挙げられます。
訓練では、事業所の特性に応じたシミュレーションを行い、BCPの有効性を確認します。具体的には、災害発生時の初動対応、業務継続のための具体的な手順、安否確認の方法、実動訓練などが含まれます。これらを通じて、BCPが実際に機能するかどうかを検証し、必要な改善を行います。
さらに、通所系の事業所においても宿泊の準備が必要です。災害時には利用者の自宅が被災している可能性があり、帰宅困難な状況も考えられます。水や食料、簡易トイレ、エアマットなどを準備し、短期的な宿泊に対応できるようにすることが求められます。
訓練の最後には、反省会を開き、訓練の評価とBCPの改善点を洗い出します。また、感染症の訓練についても触れ、1名の感染疑い者が発生した時点でBCPを発動することが重要であると強調しています。正常性バイアスが働かないよう、早めの対応が求められます。
以上が動画で説明された内容です。BCPの訓練を通じて、災害時における事業継続のための準備を整え、利用者と職員の安全を確保することが目指されています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のYoutubeチャンネルへ