2025年4月15日
労務・人事ニュース
下水処理施設の設置面積を最大40%削減、好気性グラニュール技術で省スペース化へ
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最終更新: 2025年4月30日 21:01
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ダウンサイジング、効率的な耐震化、 業務の効率化・省人化に関する技術実証に取り組みます ~上下水道革新的技術を新たに採択~(国交省)
令和7年3月28日、国土交通省は持続可能な上下水道の実現に向けて、「上下水道一体革新的技術実証事業(AB-Cross)」における新たな採択技術を発表しました。この取り組みは、人口減少やインフラの老朽化が進む中で、限られた資源と人材の中でも高水準のインフラ維持を可能とする技術革新を推進するものです。今回採択された技術は、ダウンサイジング可能な下水処理、非耐震管の補強、水管橋の点検効率化、かび臭濃度の予測、さらに中大口径管の腐食評価技術といった5件で構成されており、いずれも実用化を見据えた実証および調査が令和7年度から開始されます。
最も注目されるのは、メタウォーター株式会社と日本下水道事業団、宮城県による「好気性グラニュールを用いた下水処理技術」です。この技術は、従来よりも小型化された設備で同等またはそれ以上の処理能力を実現することを目的としており、処理水質、処理能力、消費電力の削減といった観点から性能を評価します。好気性グラニュールとは、微生物が凝集して球状の粒子を形成することで、沈降性が高く、処理効率も高いという特性を持っています。この技術が実用化されれば、施設の設置スペースの縮小、建設コストの削減、エネルギー消費の低減が可能となり、特に都市部の老朽施設更新においては大きな利点が見込まれます。
次に紹介されるのは、大成機工株式会社と株式会社NJS、石川県穴水町が連携して取り組む「補強金具による非耐震ダクタイル鋳鉄管路の耐震補強の実証事業」です。多くの水道施設では、未だに非耐震構造の管が使われており、その更新には多額の費用と長期の工期が伴います。本事業では、非耐震管の継手部に補強金具を取り付けることで、簡易かつ安価に耐震性を付与する方法の実証を行います。これにより、従来の更新を伴う改修に比べて工期は最大で50%短縮され、コストは3割程度削減できる可能性があります。全国に多数存在する非耐震管路への応用が見込まれる点で、非常に実用的な技術として期待されています。
業務の効率化・省人化に関する分野では、三つのFS(フィージビリティ・スタディ)調査が採択されています。一つ目は、シャープ株式会社と株式会社カンツールが共同で取り組む「中大口径管内表面状態評価技術」です。従来、小口径管向けに使われていた管内解析システムにLiDAR技術を導入し、自己位置推定アルゴリズムを活用することで、大口径・流水中の管でも正確な腐食マッピングが可能になることを目指します。これにより、従来は目視や静止環境下でしか行えなかった検査が、日常運用中でも非接触・非破壊で実施できるようになり、保全業務の効率化と安全性向上が図れます。
次に、前澤工業株式会社と中央大学、北海道科学大学が連携する「かび臭濃度予測ソフトの開発」では、浄水場で得られるビッグデータを活用し、原水の水質情報をもとにかび臭物質の濃度を予測するAIソフトの開発が行われます。使用されるアルゴリズムはLSTM(長・短期記憶)と呼ばれるもので、予測精度の高い時系列データ解析を可能とするものです。これが実用化されれば、異臭問題の早期検知・対応が可能となり、住民サービスの質の向上にもつながります。
さらに、株式会社日水コンと構造計画研究所、鳥取大学、神戸市が進める「水管橋の点検高度化事業」では、加速度計を用いた微動計測によって、従来困難とされてきた橋梁添架管の状態把握を効率的に行う技術が検証されます。この技術は、橋脚に設置された水道管の応答性を分析することで、構造的な異常兆候を早期に発見できることを目的としています。これにより、高所作業や長期通行止めを必要としない点検が実現し、年間点検コストの最大40%削減が見込まれています。
このような革新的技術の導入は、上下水道分野における人材の働き方改革にも直結するものです。特に、省人化技術やAIを活用した予測ツールは、従来の経験や勘に依存していた業務の標準化を可能にし、若年層や未経験者でも短期間で業務に習熟できる環境を整える役割を果たします。また、重労働や危険を伴う作業の削減は、職場環境の改善にもつながり、採用活動における企業イメージの向上にも寄与するでしょう。
今後、こうした実証技術が成功を収めれば、全国の自治体や民間事業者による横展開が加速し、インフラ維持費の抑制、災害対応力の向上、さらにはスマートインフラの実現が具体化していくと考えられます。企業にとっては、これらの革新的技術に精通した人材の確保と育成が、今後の競争力維持に不可欠となるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ