2025年7月17日
労務・人事ニュース
建設業界に活況、受注総額1兆828億円で3ヶ月連続増加を記録
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IT事務/月収例29.5万/土日祝休み/未経験から手に職/残業月10h以内/リモートあり
最終更新: 2025年7月16日 21:01
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令和7年5月の建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果(国交省)
令和7年5月に実施された建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)の結果が明らかになり、建設業界の現状と今後の動向に注目が集まっている。今回の調査は、政府統計ポータルサイト「e-Stat」にも公表されており、国土交通省の総合政策局情報政策課建設経済統計調査室が取りまとめたものである。この調査は、建設業界の受注動向を詳細に把握し、発注者の内訳、工事の種類、地域ごとの傾向などを把握することを目的としている。
5月の受注総額は1兆828億円に達し、前年同月比で14.0%の増加となった。これは3ヶ月連続の増加であり、堅調な受注環境が続いていることを示している。とりわけ民間工事の伸びが顕著で、前年同月比19.2%増の7,964億円を記録し、6ヶ月連続のプラス成長となった。これに対し、公共工事は1,663億円で前年同月比9.9%減少しており、4ヶ月連続の減少が続いている。
民間工事においては、製造業からの受注が前年同月比で23.5%減少する一方で、非製造業からの受注は44.7%増加という対照的な動きが見られた。特に、運輸業・郵便業、金融業・保険業、サービス業などが大きく伸長しており、今後もインフラやビジネス基盤への投資が続くことが予想される。運輸業・郵便業の受注額は1986億円、金融業・保険業は545億円、サービス業は1153億円に達しており、これらが全体の受注拡大に寄与している。
また、工事の種類別で見ると、建築工事と土木工事のいずれも前年同月比で増加している。建築工事では事務所や庁舎、店舗などの商業施設に対する受注が増加し、逆に工場や発電所、住宅、教育・研究・文化施設などの受注は減少した。一方、土木工事では「その他」カテゴリに含まれる案件の増加が全体をけん引している。
公共工事に目を向けると、国の機関からの発注は前年同月比21.8%減と厳しい状況であるが、地方自治体からの発注は同88.5%増と大きく増加している。これは、都道府県や地方公営企業、地方公共団体が積極的にインフラ整備を進めていることを示しており、地域経済の活性化や災害対応への備えとして公共投資が拡大していることが背景にあると考えられる。
さらに海外工事の受注額は824億円となり、前年同月比66.6%の大幅増を記録した。これは4ヶ月ぶりの増加であり、日本企業が海外市場でも競争力を維持していることがうかがえる。ただし、海外工事の受注額には現地法人による案件は含まれておらず、あくまで日本国内の本社ベースでの受注額となっている点には留意が必要である。
建設業界全体の活況ぶりを裏付けるデータとして、手持ち工事高も注目に値する。令和7年4月末時点の手持ち工事高は2兆5,816億円で、前年同月比10.4%増と堅調に推移している。建築部門では1兆7,002億円、土木部門では8,814億円の手持ちがあり、今後数ヶ月間の施工需要を十分に確保している状況だ。また、月間施工高は9,964億円に達し、各社が受注案件を着実に消化している様子がうかがえる。
注目すべきは、大規模工事(受注額10億円以上)の比率が全体の65.3%を占めている点である。このうち民間工事が全体の約81%を構成しており、88件の建築工事で4,564億円、57件の土木工事で1,967億円の受注が確認されている。一方、公共機関による大規模工事は37件で総額1,219億円と、件数・金額ともに民間工事を大きく下回っている。
地域別の動向を見ても興味深い傾向がある。近畿地方では前年同月比で288.2%という驚異的な伸びを示し、特に大阪府が667億円と突出している。関東地方でも東京都が564億円、神奈川県が118億円を記録するなど、都市部での大型案件の集中が進んでいることがわかる。地方では、福井県(33億円)や京都府(35億円)、和歌山県(5億円)などでも比較的堅調な受注が続いており、地域ごとのばらつきはあるものの、全国的に建設需要が底堅く推移している。
今回の調査結果は、企業の採用戦略や事業計画にも影響を与える重要な情報である。建設業界が活況を呈している今、即戦力となる人材の確保が急務となっており、特に土木・建築の現場監督、施工管理、設計・積算、営業などの職種で人手不足が続いている。また、技術革新に対応できる若手人材や、海外案件にも対応可能な語学力を備えた人材へのニーズも高まっている。
このような背景を踏まえると、建設業界の成長に対応した採用活動や人材育成が、企業にとって競争力を高める鍵となる。調査データを活用し、自社の強みを生かした事業戦略を構築することが、今後の業績拡大につながるだろう。今後も月次で発表される統計を注視し、業界全体の動向を的確に把握することが求められる。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ