2025年5月6日
労務・人事ニュース
月面建設に挑む!12プロジェクト・36団体(重複込み)が連携する革新的技術開発
- 「夜勤なし」/准看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年5月6日 22:36
- 「駅チカ」/正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年5月6日 22:36
- 「残業ゼロ」/正看護師/介護施設/住宅補助あり
最終更新: 2025年5月6日 22:36
- 「駅チカ」/正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年5月6日 22:36
令和7年度の宇宙無人建設革新技術開発を開始します ~近い将来の月面での建設を目指し、地上の建設技術を高度化~(国交省)
令和7年4月23日、国土交通省は宇宙無人建設技術の研究開発を本格的に進める新たな取り組みとして、令和7年度の宇宙無人建設革新技術開発プロジェクトを始動させました。本プロジェクトは、「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一環として展開されるもので、月面での拠点構築を視野に入れた先端的な建設技術の開発を進めるとともに、地上の建設技術にも波及効果をもたらすことを目的としています。今回発表された計画では、文部科学省との連携の下、36の研究機関や企業が参加し、12件の研究開発テーマが継続して実施されることとなっています。
このプロジェクトの背景には、近い将来における月面探査や基地建設といった宇宙開発のニーズに応えるべく、無人化・自動化施工技術の高度化が喫緊の課題となっていることがあります。特に月面では重力、土質、大気の有無など地球とは全く異なる環境条件が存在するため、従来の建設技術では対応が困難です。そうした中、日本では熊本地震などの自然災害対応を通じて培われた無人化施工技術を応用し、宇宙空間での建設を可能とするための技術革新が急がれています。
本プロジェクトの中心的な役割を担うのは、鹿島建設や清水建設、大成建設、大林組といった建設大手企業で、それぞれが専門性を生かした技術開発を行っています。たとえば鹿島建設は、仮想環境を活用して月面施工を模擬するシミュレーションプラットフォームの開発を進めています。この技術は、地上での自律遠隔施工システムの高度化にもつながるものです。清水建設は、建設機械に搭載されたAIが自律的に作業を進める環境認識基盤システムの実証を行っており、通信遅延が大きい宇宙空間での施工に不可欠な技術です。
また、大成建設は、衛星測位が利用できない月面環境でも精密な位置情報を把握するため、ハイブリッドSLAM技術を活用した自動運転技術を開発。これにより、月面での物資運搬などの効率化を図るとともに、地上での山間部やトンネルといったGPSが使えないエリアでの施工への応用も見込まれています。
加えて、大林組は、月面資源であるレゴリスを利用して現地で建設材料を製造する技術に挑戦しており、レーザーやマイクロ波を使って強度の高い建材を現地で製造するシステムの開発を進めています。このように、月面への資材運搬コストを削減し、持続可能な拠点構築を目指す試みが実施されています。
本プロジェクトの特筆すべき点は、すべての研究開発が地球上の実用技術としての可能性も視野に入れて進められていることです。たとえば、小松製作所が開発するデジタルツイン技術は、月面建設機械の設計・検証に利用される一方で、地上の建設現場においても施工の最適化に寄与することが期待されています。また、立命館大学をはじめとする学術機関が参加する月面地盤調査の技術は、月面での着陸リスクや建設安全性の向上のみならず、地上の災害予測やインフラ整備の高度化にもつながると見られています。
さらに、索道技術を活用した物資運搬の研究では、月面の洞窟やクレーター内部へのアクセスにおける課題を克服するための技術が開発されており、災害対応力の強化にも役立つものです。これらの取り組みは、国際的な月面探査ミッションであるアルテミス計画とも連携しながら、日本が宇宙建設分野でリーダーシップを発揮するための基盤づくりとしての側面も持っています。
このように、宇宙無人建設革新技術開発プロジェクトは、単なる技術開発にとどまらず、産学官が一体となって未来の宇宙開発と地球の持続可能な社会づくりを両立させるという、非常に意義深い取り組みです。今後も研究成果の一般公開や産業界との連携を通じて、その成果が広く社会に還元されることが期待されます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ