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2025年4月30日

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訪日外国人の消費額2兆2,720億円に急増、前年比28.4%アップの消費回復に注目(インバウンド消費動向調査2025年1-3月期)

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インバウンド消費動向調査2025年1-3月期(1次速報)の結果について(観光庁)

2025年1月から3月にかけて実施された「インバウンド消費動向調査(1次速報)」によれば、日本を訪れた外国人旅行者による総消費額は、前年同期比で28.4%増となる2兆2,720億円に達しました。この増加は新型コロナウイルス感染拡大による制限解除後、国際的な人流が本格的に回復し始めた影響とみられ、観光産業にとって明るい兆しといえる結果となっています。

国・地域別にみると、最も消費額が大きかったのは中国で5,443億円(全体の24.0%)を占めており、続いて台湾が3,168億円(13.9%)、韓国が2,824億円(12.4%)、アメリカが2,188億円(9.6%)、香港が1,534億円(6.8%)と続きました。これら5カ国・地域だけで全体の66.7%を占めており、インバウンド需要の中核を成していることが分かります。特に中国は前年比52.3%の大幅な増加を記録しており、経済回復と渡航自由化の影響が顕著に現れています。

一人当たりの旅行支出(消費単価)についても、前年同期と比較して5.2%増加し、22万2千円という結果が出ています。なかでもオーストラリアからの旅行者は1人当たり36万6,640円と最も高く、次いでフランスが33万8,442円、英国が32万966円と続いています。これらの国々からの旅行者は長期滞在傾向が強く、滞在中の消費も高額になる傾向があると分析されます。

費目別に見た場合、最も多くの支出があったのは宿泊費で全体の33.4%を占め、次いで買物代が29.3%、飲食費が22.5%となりました。宿泊費と飲食費の比率は前年同期からそれぞれ増加しており、訪日外国人の旅行スタイルが「体験重視型」へとシフトしている可能性が示唆されます。また、買物代については中国が圧倒的に高く、同国からの訪日客1人当たりで見た場合、10万円を超える買物支出が記録されました。これは越境ECと並行した実店舗ショッピング需要が依然として強いことを示しており、日本ブランドや製品への信頼の厚さがうかがえます。

この調査結果により、インバウンド需要の再拡大に伴う国内観光業界の回復が確認されると同時に、訪日客の国籍による消費傾向の違いが浮き彫りになりました。例えば、アジア圏からの訪日客は短期滞在で買い物に集中する傾向がある一方、欧米豪からの旅行者は滞在期間が長く、宿泊・体験型消費に多くの支出を行う傾向が見受けられます。これらの傾向を踏まえると、観光業界にとっては国別のニーズを的確に把握し、ターゲットを絞ったマーケティングやサービス設計が不可欠となります。

また、今回の調査では「クルーズ客」も対象に含まれており、1人当たりの旅行支出は2万3,034円と前年同期比で27.9%減となりました。ただし、訪問数自体は65.7%増加しており、今後のクルーズ観光再開に伴う経済効果も注目されます。

観光立国を掲げる日本にとって、今回の1次速報は非常に前向きな結果であり、今後もこの傾向を継続・加速させるためには、インフラ整備や外国語対応の強化、キャッシュレス決済環境の拡充、観光人材の育成など、政府と民間の連携による取り組みが求められます。特に地域観光においては、欧米からの長期滞在者に向けたアクティビティや文化体験プログラムの拡充が不可欠であり、地方経済の活性化に直結するチャンスとなるでしょう。

こうした最新の消費動向データは、企業の経営戦略や採用広報においても重要な意味を持ちます。たとえば、インバウンド対応ができる人材の採用や、外国語能力を持つスタッフの配置、接客サービスの向上、あるいは多言語対応の販促物の作成など、企業に求められる対応が明確化してきています。また、こうした変化を敏感に捉えて対応している企業は、求職者からの評価も高まる傾向にあり、企業価値の向上につながる点も見逃せません。

⇒ 詳しくは観光庁のWEBサイトへ

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