2024年8月15日
労務・人事ニュース
鳥取県 6月の新規求人数が4,579人に減少、前年同月比14.8%減の要因を分析
鳥取県内の雇用情勢(令和6年6月分)(鳥取労働局)
鳥取労働局が発表した最新の雇用情勢に関する報告によれば、令和6年6月における鳥取県内の有効求人倍率は1.22倍で、前月より0.06ポイント低下しました。この低下の背景には、有効求人数が減少し、有効求職者数が増加したことが影響しています。この結果、雇用情勢の改善の動きがやや弱まっているとのことです。特に物価上昇などの外部要因に対しては、引き続き注意が必要とされています。
6月の有効求人数は12,725人で、前月に比べて274人(2.1%)減少しました。一方、有効求職者数は10,422人となり、前月より251人(2.5%)増加しています。このような動向により、有効求人倍率は1.22倍となり、全国平均の1.23倍をわずかに下回る状況となりました。
産業別の動向を見てみると、新規求人数は4,579人で、前年同月比で798人(14.8%)の減少が見られました。特に製造業(35.6%減)、医療・福祉(18.2%減)、宿泊業・飲食サービス業(31.2%減)といった産業での求人数の減少が顕著です。一方で、卸売業・小売業では91人(12.0%増)と増加しており、産業間での求人数の変動が大きいことがうかがえます。
また、求職者の動向も注目に値します。新規求職者数は1,861人で、前年同月比でわずかに減少しています。在職者の求職活動は増加傾向にある一方、離職者や無業者の求職活動は減少しています。特に自己都合による離職者が減少している一方で、事業主都合による離職者が増加しており、雇用環境の変化が求職者の動向にも影響を与えていることがわかります。
正社員の求人動向についても分析が行われています。正社員の有効求人数は6,209人で、前年同月比で659人(9.6%)減少しましたが、有効求職者数は5,993人と前年同月より1.2%増加しています。この結果、正社員の有効求人倍率は1.04倍となり、前年同月比で0.12ポイント低下しました。これは、12か月連続で前年同月を下回っていることを示しており、正社員の求人状況が厳しいことが浮き彫りになっています。
雇用形態別のデータも興味深いです。常用的パートタイムの有効求人倍率は1.24倍、新規求人倍率は2.15倍となっており、求人数に対して求職者数が増加傾向にあることが示されています。このことから、パートタイムの求人が増加している一方で、正社員の求人は減少していることがわかります。
全体として、鳥取県内の雇用情勢は依然として厳しい状況が続いていますが、産業ごとの動向や雇用形態別の動向を詳しく分析することで、今後の改善策や企業の採用戦略に役立つ情報を得ることができます。特に製造業や医療・福祉分野での求人減少が顕著であるため、これらの分野における雇用対策が求められています。
また、物価上昇や経済環境の変化に伴う求職者の動向も注視する必要があります。特に、事業主都合での離職者が増加している現状は、雇用主側の経営環境や雇用方針の見直しが必要であることを示唆しています。これらのデータを基に、企業は採用戦略を再考し、より効果的な人材確保に努めることが重要です。
⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ