労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和7年5月の香川県有効求人倍率1.52倍

2025年7月15日

労務・人事ニュース

令和7年5月の香川県有効求人倍率1.52倍

Sponsored by 求人ボックス

香川県の雇用情勢(令和7年5月分)(香川労働局)

令和7年5月に香川労働局が発表した最新の雇用統計によると、香川県における有効求人倍率(季節調整値)は1.52倍となり、前月の1.53倍から0.01ポイント低下しました。これは全国平均の1.24倍を大きく上回る水準で、全国でも第4位の高さを示しています。採用市場が依然として求職者よりも求人のほうが多い「売り手市場」であることを裏付ける結果であり、企業の採用活動においても、他社との差別化や迅速な対応力がより一層求められる状況といえるでしょう。

注目すべきは、正社員の有効求人倍率(原数値)が1.25倍と、前年同月から0.11ポイント上昇したことです。全国平均が0.98倍であることを踏まえると、香川県における正社員雇用の需要が非常に高いことが分かります。この背景には、企業側が安定雇用を重視して正社員での募集を積極的に進めている実情があり、人材の流動性が高まる中で長期的に企業を支える人材の確保にシフトしていることがうかがえます。採用担当者にとっては、この動きを単なる数字として捉えるのではなく、自社の採用計画を見直す契機とし、特に将来の中核人材の獲得を意識したアプローチが重要となります。

一方で、新規求人の動向を見ると、令和7年5月の新規求人数(原数値)は7,869人で、前年同月比で4.2%の減少となりました。これは2か月連続の減少であり、特に宿泊業・飲食サービス業、卸売業・小売業、複合サービス事業などの分野で顕著な減少が見られました。これは観光需要の不安定さや人件費の高騰、消費者動向の変化など、業界特有の課題が反映されたものと考えられます。こうした分野で採用を行う企業は、より一層、働きやすい労働条件や柔軟な勤務体制、福利厚生の充実といった「人材を惹きつける要素」の強化が求められる局面にあります。

一方で、サービス業(他に分類されないもの)、建設業、教育・学習支援業といった分野では新規求人が増加傾向にあります。これらの分野では、地域社会に根ざした人材需要が着実に存在しており、企業の採用戦略においては、地域性と時流を的確に捉えた求人の出し方が鍵となるでしょう。たとえば、教育や学習支援分野では、専門性だけでなく人間性や地域との接点も重要視される傾向があるため、求人情報においてもそのような魅力を具体的に表現することが重要です。

新規求職者数の動きも見逃せません。5月の新規求職者数は3,619人で、前年同月比で8.4%の減少となり、これで10か月連続の減少となりました。これは求職活動を新たに始める人が継続的に減っていることを意味しており、企業にとっては「母集団」が縮小しつつある中でいかに優秀な人材を確保するかが一層難しくなっている状況です。こうした中で採用担当者が取るべきアクションとして、企業の魅力を内外に積極的に発信し、応募前の不安を解消できるようなコンテンツの整備が必要不可欠です。

また、香川県の雇用情勢判断としては、「求人が求職を上回って推移しており、緩やかに持ち直しているものの、今後も物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要がある」とされています。これは、経済的な外部要因が雇用動向に与える影響を今後も無視できないという警鐘であり、企業が短期的な採用目標にとらわれすぎることなく、中長期的な人材育成や労働環境の改善にも注力していく必要があることを示唆しています。

実際、コロナ禍を経て働き方や職業観が多様化する中で、求職者が企業に求めるものも大きく変化しています。単に高収入や正社員という条件だけでなく、リモートワークの可否、ワークライフバランス、職場の人間関係、キャリアアップ支援など、総合的な「働く環境の質」が重視されるようになっています。そのため、求人票の記載内容も単なる条件提示ではなく、企業理念や職場の雰囲気、働き方の実例など、より具体的な情報を盛り込むことが、応募者の共感と信頼を得るポイントとなるでしょう。

さらに、オンライン求職登録が増えている現状を踏まえると、デジタル上での採用広報の質も極めて重要です。スマートフォン対応の求人ページ、SNSを活用した職場紹介、社員インタビュー動画など、視覚と感情に訴える情報提供を行うことで、求職者の「この会社で働いてみたい」という気持ちを後押しすることが可能になります。

このように、香川県の令和7年5月の有効求人倍率1.52倍という数字の背後には、多くの雇用情勢の変化と、それに対応するための企業の取り組みが潜んでいます。採用担当者は、目の前の数字だけに注目するのではなく、統計の背景にあるトレンドや課題を丁寧に読み解き、自社に合った戦略的な採用活動を構築していくことが求められています。

⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ