2024年10月4日
労務・人事ニュース
令和6年度のでん粉需給見通し発表、総需要2,420千トンで安定供給へ、糖化製品や化工でん粉の微増に注目
令和6でん粉年度の「でん粉の需給見通し」について(農水省)
令和6年9月27日に農林水産省から発表された令和6でん粉年度における「でん粉の需給見通し」によると、でん粉の需要と供給に関する詳細な見通しが示されました。これは、でん粉の価格を安定させるために必要な情報を関係者に提供し、生産者や実需者、製造事業者がそれに基づいた計画を立てられるよう支援するためのものです。この需給見通しは、毎年2回作成されており、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づいています。
まず、令和6でん粉年度の需要量は、近年の需要動向を踏まえ、前年に比べて約0.4%増の2,420千トンと見込まれています。主な需要項目ごとに詳細を見ていくと、糖化製品の需要量は前年よりも0.3%増加し、1,658千トンと予測されています。糖化製品には、異性化糖、ぶどう糖、水あめなどが含まれます。次に、化工でん粉の需要量は前年と同じ234千トンと見込まれています。化工でん粉は、物理的・化学的な加工を施されたでん粉を指します。そして、その他の用途、たとえば製紙やビール、片栗粉用として使用されるでん粉の需要は前年よりも1.0%増加し、528千トンと見込まれています。
次に、供給面についてです。令和6年10月から令和7年9月までの期間で供給されるでん粉の内訳が示されています。国内産のいもでん粉は167千トンの供給が見込まれており、これには主に北海道産のジャガイモから生産されるでん粉が含まれます。一方、コーンスターチの供給量は2,097千トンとされ、国内需要の大部分を占めています。また、輸入でん粉の供給量は、糖化製品や化工でん粉向けに129千トン、その他の用途向けには17千トンが予測されています。小麦でん粉の供給は14千トンとなっており、国内外の供給源を組み合わせることで安定した供給が期待されています。
このように、令和6でん粉年度における需要と供給のバランスは、安定的に推移すると見込まれており、特に糖化製品やその他用途に対する需要の微増が特徴的です。でん粉産業全体としては、適切な価格調整を行うための重要な指針となり、今後の生産計画や輸入政策の策定にも役立てられることでしょう。
今回の発表の詳細については、農林水産省の公式ウェブサイトでも公開されています。農業関係者やでん粉関連事業者は、この情報をもとに今後の事業計画を策定することが推奨されます。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ