2025年5月29日
労務・人事ニュース
令和6年度東京湾調査、水温27℃以上が広域に拡大・成層構造が明確化
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最終更新: 2025年6月11日 22:32
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最終更新: 2025年6月12日 06:36
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最終更新: 2025年6月11日 22:32
令和6年度東京湾環境一斉調査 調査結果の公表について(環境省)
令和6年度に実施された東京湾環境一斉調査は、国や地方自治体、企業、市民団体、研究機関など多様な主体が一体となり、東京湾の水質や生物環境の状況を把握することを目的として行われました。本調査は平成20年度に開始され、今回で17回目の実施となります。環境省が事務局を務める東京湾再生推進会議モニタリング分科会をはじめとする4団体の主導のもと、155機関が水質調査に参加し、9機関による生物調査、さらに6機関が環境啓発活動などのイベントを実施しました。
水質調査は、令和6年8月7日を基準日として前後の日を含む複数日にわたって行われ、海域では463地点、陸域では414地点、合計877地点でのデータが収集されました。調査内容には、水温、塩分、溶存酸素量(DO)、化学的酸素要求量(COD)、透明度などが含まれ、詳細な海象データがクリギング法による補間処理を通じて分析されました。
調査結果によると、東京湾の表層水温は全域で27℃以上と高く、湾奥部ではさらに30℃を超える箇所も見られました。中層および底層では、湾口部において22℃以下、さらには19℃以下といった低温域が確認され、湾内では明確な成層構造が形成されていることが分かります。塩分の分布については、表層で湾口部から湾奥に向かうにつれて塩分濃度が低下する傾向が見られ、とくに河口部では降雨の影響も重なり、顕著な低塩分水塊が観測されました。
一方、溶存酸素量に関する結果は深刻な状況を浮き彫りにしました。表層では酸素量が高い地域も見られたものの、中層および底層においては3mg/Lを下回る貧酸素水塊が広く分布し、特に湾奥部では1mg/L以下という極端な低酸素状態が確認されました。これは海洋生態系に対する重大なストレスとなり、底生生物の生存を脅かす要因として警戒されます。
CODの分布も、湾奥部で高く湾口部に向かって低下するという傾向を示しており、湾奥部での有機物の蓄積が進行していることを示唆しています。また、透明度に関しては、湾央部および沿岸部で低く、湾口部に向かって高くなるという分布パターンが明らかになりました。これは河川からの流入による濁りや栄養塩の流入の影響を反映しており、陸域からの負荷が海域の透明度に直接的に影響していることを示しています。
生物調査は令和6年6月から9月にかけて実施され、底生生物、カニ、魚類などの多様な生物種が対象となりました。調査結果の報告件数は9件にのぼり、生物多様性の把握と東京湾の生態系保全の基盤づくりに貢献するものとなっています。特に干潟におけるアサリの生息状況やカニ類の分布状況など、地域に密着した生物調査が実施され、今後の保全施策の貴重な基礎データとなります。
また、令和6年6月から11月にかけて実施された環境啓発活動には6機関が参加し、生物観察会や海岸清掃活動など合計7件のイベントが開催されました。これらの活動は市民の環境意識の醸成に大きく貢献しており、参加者にとっても実際の現場を体感する機会となりました。
調査への参加機関は合計170機関にのぼり、その内訳には企業が76機関、市民団体3機関、教育・研究機関1機関、地方公共団体74機関、国の機関が14機関を含んでいます。これは前年の179機関からわずかに減少したものの、持続的に高い関心と参加意欲が維持されていることがわかります。企業の参加は環境CSR活動の一環として評価され、また、地元の自治体や教育機関との連携による地域密着型の取り組みも活発に行われています。
このような広域かつ多面的な調査が持つ意義は非常に大きく、東京湾の水質・生態系保全に向けた具体的な政策立案や企業活動の方針形成において重要な基礎資料となります。企業にとっても、SDGsやESG投資が重視される今、こうした科学的根拠に基づく取り組みに関与することは、環境経営の信頼性を高める鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ