2025年4月21日
労務・人事ニュース
令和7年2月の島根県有効求人倍率1.36倍、採用市場の変化と今後の人材確保戦略
- 「夜勤なし」/准看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「駅チカ」/正看護師/介護施設/夜勤なし
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島根県で正社員求人が全体の49%、2025年2月の採用計画に求められる視点とは
令和7年2月の島根県における雇用情勢に関する最新のデータは、県内企業や採用担当者にとって非常に重要な指標を示しています。今月の有効求人倍率(季節調整値)は1.36倍と、前月の1.38倍から0.02ポイント低下しました。これは求人数が減少する一方で求職者数も減少していることを意味しています。実際、月間有効求人数(季節調整値)は16,089人で、前月比で745人、率にして4.4%の減少となりました。一方、月間有効求職者数(季節調整値)は11,801人で、前月比420人、3.4%の減少となっています。このように、求人・求職双方の数値が減少している中で、有効求人倍率も微減しており、労働市場全体に慎重な動きが広がっていると読み取れます。
正社員に限定した雇用状況を見ると、正社員の有効求人倍率(原数値)は1.29倍で、前年同月比で0.05ポイントの低下でした。2月の正社員有効求人数は8,401人で、有効求人数全体の49.0%を占めています。この比率からも、島根県の雇用環境では依然として非正規雇用の比重が高いことが分かります。企業にとっては、正社員の採用難が続いていることを示しており、長期的な人材確保戦略の見直しが求められています。
地域別に見ると、最も有効求人倍率が高かったのは隠岐の島で2.25倍(前年同月比2.49倍)となり、続いて石見大田が1.80倍、益田が1.55倍でした。一方で最も低かったのは安来市で0.88倍と1倍を下回っており、地域による格差が大きい状況が明らかになっています。特に正社員の求人倍率についても隠岐の島が1.44倍、石見大田が1.91倍と高水準であるのに対し、安来ではわずか0.73倍と極めて低くなっており、地域ごとに採用難易度が大きく異なることが分かります。
産業別の新規求人の動向に注目すると、医療・福祉分野(8.9%増)や生活関連サービス業・娯楽業(21.1%増)では前年同月比で求人が増加しており、人材需要が依然として高いことが確認されました。一方で、製造業(25.0%減)、卸売業・小売業(33.6%減)、宿泊業・飲食サービス業(29.4%減)などでは大幅な求人減少が見られ、景気や消費動向の影響を強く受けていることが推察されます。企業としては、自社の属する業種における雇用動向を的確に把握し、早めの人材確保対策を講じる必要があるでしょう。
また、2月の新規求職者数は2,336人で、前年同月比で382人(14.1%)の減少となりました。在職者、離職者、無業者のいずれの層でも新規求職者が減っており、求職活動に慎重な姿勢が広がっている様子がうかがえます。これは労働者側の転職志向が弱まっていることを意味しており、企業が人材を呼び込むためには、待遇や職場環境、キャリア形成支援などの面での魅力づけがより重要となります。
2月の就職件数は967件で、前年同月比で126件(11.5%)の減少でしたが、就職率は41.4%と、前年同月比で1.2ポイント上昇しています。このデータは、就職件数が減少している一方で、新規求職者数も減っているため、求職者が比較的効率的に就職に結びついている可能性を示しています。採用担当者にとっては、限られた求職者層の中から迅速に人材を確保するための戦略が求められる時期と言えます。
さらに、人員整理の状況も注目されます。2月に人員整理を実施した事業所は28事業所で、前年同月比では1事業所(3.4%)の減少でしたが、離職者数は55人で、前年同月の140人から85人(60.7%)減少しています。とくに「卸売業・小売業」、「農林・漁業」、「医療・福祉」などでの人員整理が行われており、業界特性によって雇用調整の状況が異なることが見て取れます。
雇用保険の状況についても触れておく必要があります。2月の雇用保険受給資格決定件数は499件で、前年同月比で142件(22.2%)の減少でしたが、受給者実人員は2,104人で、40人(1.9%)の増加となりました。これは雇用の継続を支援する施策が効果を発揮している可能性があり、企業にとっても雇用維持への対応が求められる中での重要な支援制度です。
こうした状況を受け、企業の採用戦略は地域や業種ごとの有効求人倍率、求職者の動向、正社員の採用難易度など、さまざまなデータに基づいたきめ細やかな設計が求められています。島根県内では地域間格差も大きいため、特定のエリアでの採用強化や、リモートワーク導入による人材流動性の確保といった新たな取り組みが、企業の競争力を左右する鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは島根労働局のWEBサイトへ