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2025年8月1日

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【令和7年度】中大規模木造建築物を対象に最大3億円の補助金、第2回提案募集が7月18日から開始

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令和7年度優良木造建築物等整備推進事業 第2回提案募集の開始 ~本日から令和7年8月29日(金)まで募集します~(国交省)

令和7年7月18日、国土交通省は「令和7年度優良木造建築物等整備推進事業」の第2回提案募集の開始を発表しました。この事業は、2050年までのカーボンニュートラル実現という国家目標に貢献することを目的としており、特に炭素を長期間にわたって貯蔵可能とされる中大規模の木造建築物の普及に資するプロジェクトに対して重点的な支援を行います。今回の公募期間は令和7年7月18日から同年8月29日までとされており、事業に関心を持つ民間企業や設計事務所、施工業者などにとっては、短期間での申請準備が求められます。

本事業の支援対象となるプロジェクトは、一定の技術的・構造的要件を満たす必要があります。まず、対象となる建築物は主要構造部において一定量以上の木材を使用していることが基本条件となっており、さらに建築基準法に基づいて耐火構造または準耐火構造が求められる規模に該当することが必須とされています。例えば、共同住宅や事務所の場合には階数が4以上であること、またその他の非住宅用途においては階数が3以上、もしくは延べ面積が3,000平方メートルを超える建築物であることが求められています。このように、一定以上の規模を持つ木造建築物の開発を推進することで、建設分野におけるCO₂固定量の増大が期待されています。

加えて、利用目的にも一定の制限があります。不特定多数、または特定多数の人が利用する施設であることが条件とされており、これにより公共性の高い施設を中心に木造建築の普及を図る意図が明確になっています。さらに、木造建築物の普及啓発に関する取り組みを併せて行うこと、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)といった省エネルギー基準に適合していること、そして再造林や資材の再利用といった持続可能性に配慮した構造であることも要件に含まれています。

事業の補助枠は「普及枠」と「先導枠」の二つに分かれており、それぞれに異なる補助率と補助上限額が設定されています。普及枠では、木造化に関する調査・設計費用については1/2以内、建設工事費については木造化により追加される費用の1/3以内、または工事費全体の7%以内が補助対象となり、補助金の上限は2億円です。一方、先導枠では、防火・構造などにおいて先導性を有するプロジェクトを対象としており、有識者委員会の評価を経た上で、調査・設計費の1/2、建設工事費の1/2または10%以内の補助が受けられます。こちらの補助上限額は3億円とされ、より高度で革新的な木造技術を用いたプロジェクトへの手厚い支援がなされます。

なお、今回の事業は「住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業」(令和7年度当初予算:373.40億円)の一環として実施されるものであり、政府が進めるグリーン成長戦略の重要な施策の一つに位置付けられています。木材は再生可能な資源であることに加え、炭素を固定する特性を持ち、環境負荷の低い建築資材として国際的にも注目が集まっています。特に中大規模木造建築は、構造的なハードルを克服することで、都市部のビルや公共施設などへの展開が期待されています。

今回の提案募集は、単なる建築支援制度にとどまらず、木造建築を通じて地域経済の活性化や林業振興、地場産材の利用促進といった多面的な効果をもたらす可能性があります。また、設計段階から再造林や資源循環まで視野に入れたプロジェクトであれば、ESG投資やサステナビリティ重視の社会的評価も高まることが予想され、企業としてのブランド価値の向上にも直結する重要な取り組みとなります。

このような背景の中で、企業の採用担当者にとって注目すべき点は、木造化に対応できる建築士、構造設計者、省エネ計算やLCA(ライフサイクルアセスメント)に対応可能な技術者、さらには公共性の高い案件を調整・推進できるプロジェクトマネージャーなど、複合的なスキルを持つ専門人材の確保が急務であるということです。また、補助事業の申請から評価対応までを行える書類作成や行政対応に長けた事務系人材も、企業における戦略的な役割を担うことになるでしょう。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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