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2025年8月17日

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ふるさと納税の受入額が令和6年度に1兆2,728億円を突破、寄附件数は約5,879万件に拡大

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ふるさと納税に関する現況調査結果の概要(総務省)


この記事の概要

令和6年度に実施されたふるさと納税の現況調査結果が公表され、受入額は過去最高の1兆2,728億円に達した。住民税控除額も約8,710億円と前年を上回り、控除の適用者数は約1,080万人にのぼる。


令和6年度に実施されたふるさと納税の現況調査結果は、制度が市民に広く浸透し、自治体にとっても重要な財源の一つとなっていることを明確に示している。受入総額は過去最高となる1兆2,728億円に達し、前年度比で約1.1倍の増加を記録した。寄附件数も約5,879万件と安定した伸びを見せており、制度開始当初から年々その規模が拡大していることがわかる。

住民税控除額に関しては、令和7年度課税において全国で約8,710億円となり、控除の適用者数は約1,080万人と前年から約78万人増加した。これにより、ふるさと納税制度が多くの納税者に利用されていることが確認できる。控除額の推移を見ると、令和元年度の3,282億円からわずか6年で2倍以上の伸びを示しており、制度としての安定性と市民の関心の高さがうかがえる。

都道府県別に見ると、令和6年度の受入額上位には北海道(約1,800億円)、宮崎県(約582億円)、静岡県(約534億円)などが名を連ねている。特に宝塚市は市立病院への多額の寄附(約254億円)を含めた結果、約257億円という突出した受入額を記録しており、地域特有の事情もふるさと納税に影響を与えていることがわかる。加えて、泉佐野市や白糠町、都城市、別海町などの自治体も寄附件数・金額ともに上位に位置しており、継続的な施策と返礼品の魅力が功を奏していると考えられる。

使途の面では、寄附金の活用先を明確に選択できる団体が98%を超えており、そのうち約94%の団体が分野単位での選択を可能としている。また、約31%の団体では、より具体的な事業ごとに選べる仕組みを取り入れている。こうした透明性と選択肢の多様化は、寄附者の満足度を高め、継続的な寄附へとつながっている。

特に注目されるのは、クラウドファンディング型のふるさと納税を実施する団体が451団体と全体の25.3%を占めており、具体的な目標とスケジュールを掲げるプロジェクトが1,228件、寄附金受入総額にして2,270億円に上ることだ。これにより、寄附者は自身の想いに沿った社会貢献が可能になり、自治体にとっても事業推進の強力な財源となっている。

一方で、ふるさと納税に関する費用面では、返礼品調達費が全体の25.2%(3,208億円)と最も大きく、次いで事務費等が13.2%(1,676億円)、送付費用が5.8%(733億円)、決済費用が1.7%(218億円)、広報費が0.5%(66億円)と続く。これらを合わせた費用の総額は5,901億円で、全体の約46.4%を占めており、コストの最適化も今後の課題である。

また、寄附者との関係構築の観点から見ると、寄附金の活用状況や進捗について報告を行っている自治体は894団体(全体の50.1%)、継続的なつながりを意識した取り組みを行っているのは842団体(47.1%)にとどまっている。寄附者との信頼関係を深めるためには、さらなる情報公開や対話の場の提供が求められる。

使途別の受入額を見ていくと、「子ども・子育て」分野が最も多く、約1,796億円(8,555千件)を記録し、これに「教育・人づくり」分野の836億円、「地域・産業振興」の838億円が続く。いずれの分野でも受入件数が数百万件単位となっており、市民がどのようなテーマに対して関心を持っているかが浮き彫りになっている。寄附件数の多さは、単に自治体の努力だけでなく、寄附者のライフスタイルや価値観の変化を映し出しているとも言える。

制度運営の透明性に関しても、受入額実績と活用状況の両方を公表している団体は全体の83.7%にのぼる。これに対し、いずれも公表していない団体が2.5%存在しており、全国規模での制度運用の健全性を確保するためには、こうした情報開示の徹底が不可欠である。

今回の調査結果は、ふるさと納税が単なる財源確保の手段にとどまらず、地域と寄附者をつなぐ新しい公共のかたちとして発展していることを示している。これまでに蓄積されたノウハウや寄附者のニーズを丁寧に反映させることで、より効果的な政策展開と地域活性化が可能となる。今後も制度の透明性、費用対効果、寄附者満足度の向上を図りつつ、信頼される制度設計を継続することが期待されている。

この記事の要点

  • 令和6年度のふるさと納税受入額は1兆2,728億円で過去最高
  • 住民税控除額は約8,710億円、控除適用者数は約1,080万人
  • クラウドファンディング型納税は1,228件、寄附総額227億800万円
  • 返礼品費用は3,208億円、制度全体の25.2%を占める
  • 「子ども・子育て」「教育・人づくり」「地域・産業振興」が主要な寄附分野
  • 寄附者への報告を行う自治体は全体の約半数
  • 透明性の高い運営を行う団体は8割超、非公表の団体も存在

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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