2025年6月20日
労務・人事ニュース
バイオスティミュラント活用拡大へ、農林水産省が令和7年5月に新ガイドラインを策定し科学的根拠の提示を義務化
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最終更新: 2025年6月19日 22:31
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最終更新: 2025年6月19日 22:31
「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定しました(農水省)
農林水産省は令和7年5月30日、農業現場における新たな資材の活用に向けた環境整備の一環として、「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定・公表しました。このガイドラインは、農業者が信頼できる製品を正しく選び、安全かつ効果的に利用できるよう、製品の製造・販売に関わる事業者が留意すべき事項を明確にしたものです。特に、気候変動がもたらす高温や乾燥といった非生物的ストレスへの対応、さらには収量や品質の向上を目指す観点から、バイオスティミュラントは今後の農業資材として大きな注目を集めています。
ガイドラインが定義するバイオスティミュラントとは、作物や土壌が本来持っている機能を補完することを目的とする資材であり、直接的な栄養成分ではなく、植物の栄養吸収効率や乾燥・高温・塩害などへの耐性を向上させることによって、結果的に作物の品質や収量を改善するという性質を持っています。肥料や農薬とは異なり、既存の法体系では包括的にカバーされていなかったため、農林水産省は業界団体や関係者との意見交換を重ね、実務に即したガイドラインの整備に踏み切りました。
このガイドラインの策定は、農業の持続性と生産性を両立させる「みどりの食料システム戦略」の一環でもあり、今後、気候変動への対応や農地の生産力維持がより一層求められる中で、バイオスティミュラントの普及促進が加速すると見込まれます。ガイドラインでは、製品に関する表示内容、効果の根拠となる情報の提供、安全性の確認など、製造・販売・流通を担う事業者に求められる対応を具体的に記載しています。
特に表示に関しては、製品容器や販促資料、ウェブサイトなどを含め、表示内容が景品表示法に抵触しないよう注意を促しています。農薬や肥料と誤認されるような表現を避けることが求められ、例えば「病害虫の防除」や「植物の栄養になる」といった記載には慎重な対応が必要です。さらに、製品の効果を証明するためには、対照区と施用区を設けた3回以上の反復試験が求められ、その試験では収量や生体重などの定量的データを用いた評価とともに、供試作物の写真も記録するよう指導されています。
ガイドラインでは、使用方法についても詳細に触れており、使用対象作物、使用量、使用時期、使用回数、さらには効果が得られにくい条件なども記載することで、使用者が誤解なく製品を活用できることが期待されています。さらに、成分の含有割合や品質のばらつきを把握するため、3ロット以上の分析を実施することも求められており、科学的根拠に基づいた製品設計と情報提供が重視されています。
安全性に関しても、農作物への影響だけでなく、人への安全性も確認すべきとされ、既存の食経験、文献調査、あるいは実際の安全性試験を通じて、有害性がないことを証明する手順が明記されています。これにより、消費者や生産者の安心感が高まり、バイオスティミュラント製品への信頼性が一層強化されることが期待されます。
また、ガイドラインは今後の技術革新や市場の変化を見据えて、随時見直される方針が示されており、事業者は最新の科学的知見を収集し、それに応じて製品の改良や表示内容の更新を行う責任を持つことになります。問い合わせ窓口の整備や情報提供の体制構築も推奨されており、企業としての信頼性向上にもつながる内容となっています。
このように、バイオスティミュラントの取り扱いに関する新たな基準が明確になったことで、農業関連事業者、特に製造・販売部門、そして資材供給を担う人材の育成に力を入れている企業にとって、今後の人材採用や業務設計に有益な視点が加わることになります。表示管理、安全性評価、品質分析といった専門知識を持つ人材の需要はさらに高まり、農業分野の人材戦略にも影響を及ぼすと考えられます。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ